生物系YouTuberのうごめ紀さんが1月27日、「1年間変えてない」とSNSで話題になった「マコモ湯」の水質浄化実験に挑戦する動画を公開しました。
7,700円もする高額な入浴剤の効果に疑問を持ったうごめ紀さんは、シジミの水質浄化能力を利用して濁った茶色のお湯を透明に戻せるのか検証。ドブ川で採取した100匹以上のシジミを投入し、長時間にわたる観察を行いました。
話題の「マコモ湯」とその謎めいた効果
「マコモ湯」の正体は、イネ科の植物「マコモ」を原料とする入浴剤です。マコモに黒穂菌という寄生菌が感染して肥大化すると「マコモダケ」となり、その部分を発行させて抽出したエキスが使用されています。
醤油のような濃い茶色をしていますが、うごめ紀さんが実際に入浴してみると意外にも無臭だったといいます。
製品の説明によると「お湯が腐らない」「アトピーに効く」などの効果が謳われていますが、うごめ紀さんは「何の科学的根拠もない話が広まっている」と指摘。とくに「お湯を変えなくていい」という主張については、「1週間もすれば普通にレジオネラ菌が発生して危険」と警告しています。
色をきれいにするためにドブ川からシジミを採取
色の濃い「マコモ湯」を透明な「まとも湯」に戻す方法として、うごめ紀さんはシジミの浄化能力に注目しました。
うごめ紀さんの計算によると、シジミ1グラムあたり1日で約500ミリリットルの水を濾過できるため、約200グラムのシジミが採取するために近所のドブ川へとシジミ採取に向かいました。
採取場所となったドブ川では、生きたシジミ採取のための独自の「比重選別法」を紹介。砂をすくい上げ、水中で揺らすことで生きたシジミを効率的に選別できるということです。
この方法でうごめ紀さんは100匹以上のシジミを採取することに成功しました。
72時間かけたろ過実験の結果は?
そして帰宅後は待望のシジミ投入シーンです。100匹以上のシジミを投入し、「24時間にまともになっているか確認しましょう」と発言したあと、なんと画面は3倍の72時間後に切り替わります。
3倍もの長い時間が経ったのであれば、さぞきれいになっているかと思いきや……マコモ湯の色は全く変化していませんでした。むしろ皮脂のような物質が浮いており、さらに汚れが目立つ状態に。
うごめ紀さんは「シジミたちは元気で生きているので、僕の体の皮脂とかは食べて濾過摂食を行っているんですけど、マコモエキスの色素分子が小さすぎて、シジミの体内をそのまま通り抜けているんでしょうね」と分析した結果を話しました。
シジミ、最後は食べられる
実験の結果、シジミでは「マコモ湯」を「まとも湯」に浄化できないことが分かりました。
視聴者からは「(投稿の)頻度は少ないが旬は逃さない男」「細菌を研究している者ですが、マコモに関して言いたいことを言ってくれてとても気分が良かったです」「島根県民です。宍道湖で盛んにシジミ漁をしていますが、使われる漁の方法がうごめ紀さんの採取方法とほぼ同じでびっくりしました」といったコメントが寄せられていました。
なお、役目を終えたシジミたちは味噌汁の材料になりました。どんな味だったのかは、ぜひ動画をチェックしてみてください。