『iPhone』や『MacBook』、『iMac』のいずれを購入しても、Appleロゴのステッカーがなぜか付属しています。この理由について、海外YouTubeチャンネル、Apple Explainedが解説しています。
Source:Apple Explained
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一見“不要”にみえるステッカーがApple製品に付属しているワケ
Appleは世界でも有数のファンがいますが、それは初代『Macintosh PC』が発売された1984年から続いています。実際、90年代にAppleが倒産の危機に瀕した際には、熱心なアップルファンがパソコンショップのMacコーナーに出没し、買い物客に勧めていたほどでした。
このようなブランドロイヤリティはライバル企業であるMicrosoftやGoogleにはなく、Apple特有のものといえます。Appleはこれを優位性だと判断し、ファン層の強化のためにあらゆる努力をしました。
その結果が、「Appleロゴのステッカー」でした。ユーザーは好きなバンドのシャツを着るように、自分の好きなブランドを示すことができます。
現在iPhoneを購入している人の多くは、Appleに対して無関心ですが、Appleは昔から一般的な人気あるものだったわけではありません。かつてAppleは、コンピュータ市場を独占しようとしていたIBMに対抗できる、唯一の“小さな会社”でした。
そのため当時「Appleのステッカーを貼る」ということは、自分がこの小さな会社を応援していることを周囲にアピールするものでした。
しかし、Appleが成長するにつれ、マーケティングやブランドイメージも変化していきます。Appleは『iPod』などの人気商品を生み出し、『MacBook』は学生の間で最も人気のあるノートPCのひとつとなったのです。
Appleはもう小さな会社ではありませんでした。Appleはもう子供ではなく、クールな若者のような存在になったのです。2006年に行われた広告キャンペーン「Get A Mac」を見てみてください。
一人はクールでカジュアル。もう一人は、ちょっとオタクっぽくて、お堅い感じ。
これは、Appleがユーザーに対して、PCが「自分のアイデンティティを決定する」と伝えているのです。つまり「クールになりたければ、Macを買え」ということです。
Appleのステッカーは、これらの製品に付属されることで、ブランド・アイデンティティをさらに強化しました。Appleのステッカーは、クールな「Appleクラブ」の一員であることを示す、名誉の印のようになったからです。
しかし、ブランドへの愛着からステッカーを使ったとしても、かっこいいからステッカーを使ったとしても、結果的にはAppleにとっての“無料の広告塔”です。そして、自慢げにAppleのステッカーを貼っている人がいるということは、「Apple製品には何か良いところがあるに違いない」という社会的な証明になります。
Appleは、この“口コミ”によるマーケティングがいかに価値のある広告であるか常に理解していました。たしかに、家族の誰かが『MacBook Air』を絶賛しているのを聞いたら、テレビ広告で製品をちらっと見るより、はるかに大きなインパクトがありますよね。
もちろん捨てることもできますが、多くのAppleファンは、愛する製品を思い出すためにステッカーを手元に置いておきたいと思っているのです。