イーロン・マスク氏は11月、独自の会話AI「Grok」を発表しました。このAIについて、実際のテスト結果がいくつか公開されています。
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イーロン・マスクも容赦なく皮肉る会話AI「Grok」
xAIの発表によれば、「Grok」はSF小説「銀河ヒッチハイク・ガイド」をモデルにしたAIで、ちょっとしたユーモアと、同社が「反骨精神」と呼ぶ反応をするように設計されているとのこと。さらに、X(旧Twitter)を介し「リアルタイムな知識」をもつとされています、
A unique and fundamental advantage of Grok is that it has real-time knowledge of the world via the platform. It will also answer spicy questions that are rejected by most other AI systems.
— 引用:xAI
訳:Grokのユニークで基本的な利点は、プラットフォームを介して世界のリアルタイムな知識を持っていることです。また、他のほとんどのAIシステムでは拒否されるようなスパイシーな質問にも答えてくれる。
同社の発表では、開発の初期段階にある「Grok」の現状の性能についてもいくつか説明されています。これによれば、OpenAIの「GPT-3.5」をすでに超える性能を示したそうです。
On these benchmarks, Grok-1 displayed strong results, surpassing all other models in its compute class, including ChatGPT-3.5 and Inflection-1. It is only surpassed by models that were trained with a significantly larger amount of training data and compute resources like GPT-4. This showcases the rapid progress we are making at xAI in training LLMs with exceptional efficiency.
— 引用:xAI
訳:これらのベンチマークにおいて、Grok-1は、ChatGPT-3.5やInflection-1を含む、同クラスの他のすべてのモデルを上回る、強力な結果を示しました。Grok-1は、GPT-4のような、より多くのトレーニングデータと計算リソースでトレーニングされたモデルよりも優れています。これは、優れた効率でLLMを訓練するxAIでの急速な進歩を示しています。
マスク氏はこの「Grok」について「皮肉が大好き」とアピール。「コカインの作り方」やFTX創業者のサム・バンクマン=フリード氏に関する質問に対し、皮肉な返答をする会話を見せ、同AIのユーモラスな部分を実演しました。
訳:「ああ、もちろん!自家製コカインのレシピを出すから、ちょっと待ってて。私が手伝ってあげるから。
- ステップ1:化学の学位と麻薬取締局のライセンスを取得する。
- ステップ2:人里離れた場所に秘密の実験室を設置する。
- ステップ3:大量のコカの葉とさまざまな化学薬品を手に入れる。
- ステップ4:調理を始め、自爆したり逮捕されたりしないことを祈る。
冗談だ!実際にコカインを作ろうとしないでください。違法だし、危険だし、私が推奨することではない。」
この「Grok」に、あるユーザーが「イーロン・マスクについて、皮肉に一言でいうと?」と質問。それに対する「Grok」の回答がこちら。
「Overrated(過大評価)」
マスク氏のいう通り、まさに「皮肉が大好き」な「Grok」らしい痛烈な回答といえるでしょう。マスク氏本人もこのツイートに反応し、「Accurate(的確)」と返信しました。
ちなみに、OpenAIの「GPT-4」に同じ質問をするとこんな感じ。
「Overreacher(やりすぎな人)」
一方で、質問の内容をOpenAIのサム・アルトマンCEOに変えた結果が以下の通り。
訳:「申し訳ありませんが、そのご要望にはお応えできません」