世界的なSNSといえば「YouTube」「Instagram」「TikTok」などですが、これらの大手SNSに収益面で勝るのがマイクロソフトが買収したSNS「LinkedIn」です。このSNSの強さについて、海外YouTubeチャンネル「Logically Answered」が解説しています。
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「LinkedIn」が他のSNSよりも稼げる理由とは?
「LinkedIn」はマイクロソフトが2016年に買収したプロフェッショナル・ネットワーキング・サイトで、世界最大級のビジネス特化型SNSです。LinkedInには世界200以上の国と地域で9億5000万人のユーザーがいます。YouTubeの月間アクティブユーザー数は27億人いるため、ユーザー数で比べるとLinkedInの完敗です。
一方収益面では、LinkedInは2022年に約2.2兆円を稼いでいます。これは、ユーザー1人当たりが年間で約2,200円以上支払っている計算になります。ちなみに、YouTubeのユーザーから稼げるのは、年間で1人当たり約1,600円程度とのことです。
LinkedInは2006年3月に初めて黒字化を達成しています。YouTubeが黒字化を達成するのに少なくとも10年かかり、X(旧Twitter)、Snapchat、WhatsApp、TikTokはまだ黒字化していないことを考えると、これは驚異的なペースです。
LinkedInは、どのようにして収益を拡大しているのでしょうか? LinkedInは、2003年5月5日にデビューしました。ただ、他の人気SNSとは異なり、LinkedInは爆発的な広がりを見せることはありませんでした。Instagramは、初日で25,000人、最初の1週間で100,000人、最初の2ヶ月で1,000,000人のユーザーを獲得しています。一方、LinkedInの成長はかなり控えめで、最初の月のユーザー数は4,500人しかいませんでした。
LinkedInが爆発的にヒットしなかった理由は、ユーザー層が他のSNSと異なるからです。LinkedInのユーザーの大半が25歳以上といわれています。これは、他の人気SNSとは対照的です。TikTokでは、ユーザーの30%が20歳未満、さらに30%が30歳未満です。
どちらのユーザー層が収益的に有利に働くのかと考えると、それは明らかに高齢者層です。また、LinkedInのユーザーは年齢層が高いだけでなく、キャリアで成功しているユーザーが多いことも注目すべき点です。
このことからLinkedInは別名、世界で最も権力・支配力・影響力を持つ人々が集まるSNSと言われています。2004年末までに、LinkedInはこのような人々を100万人以上抱えるまでに成長しました。そして2005年に入ると、LinkedInは「LinkedIn jobs」を立ち上げ、収益源を拡大していきます。
LinkedInの収益源は主に3つです。1つ目は企業や人材紹介会社が、求人情報を掲載するために支払っている手数料です。
2つ目は、他のSNSと同様に広告を表示することで収益を上げています。ちなみに、LinkedIn広告の平均コストは1クリックあたり約800円とのことです。クリック単価が約150円のGoogleと比べると非常に高額です。
3つ目は、有料会員から徴収している月額費用です。ユーザーは、月額4,000円〜9,000円程を支払うことによって求人情報やキャリアインサイトに関する追加機能を利用することができます。これはLinkedInの収益の17%を占めています。
これらの収益源のすべてに目を通すと、一つの属性が非常に明白であることに気づくでしょう。一般的なSNSは、学習や自己成長から娯楽やお笑いに至るまで、あらゆる種類の理由でそれらを使用します。しかし、LinkedInにアクセスするのは「求人広告を出すため」「求人募集をするため」「求人を探すため」「求人について話すため」「他人の求人を覗き見るため」など、すべて求人に関することなのです。これは、LinkedInの広告のクリック単価を向上させ、収益性を高めている1つの要因といえるでしょう。
最近では、Twitter(現X)を買収したイーロン・マスク氏が「LinkedInに対抗する」と宣言しており、求人検索機能を追加しています。求人アプリは収益性の高い分野のひとつで、Xが成功すればこの分野での激しい競争が起こるかもしれません。