日本の強豪eスポーツチーム「SCARZ」VALORANT部門の選手とコーチに、大会への意気込み、コーチから見た新メンバーの魅力などをインタビューしました。SCARZは、11月3日から5日まで両国国技館で開催される世界的eスポーツイベント「Red Bull Home Ground 2023」に出場します。
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生まれ変わったSCARZ、コーチが語る新メンバーの魅力
SCARZは2023年の「VCJ2023 Split2」で優勝し、日本代表チームとしてタイで行われたアジア大会「VALORANT Challengers Ascension 2023: Pacific」に出場。快進撃を見せるも、惜しくも決勝でシンガポール代表Bleed Esportsに敗れ準優勝という結果に終わりました。
そんな同チームは10月26日に新ロースターを発表。新メンバーとして元GyoGun「Tempura」選手と、元Crest Gaming「MrTenzouEz(テンゾウ)」選手、ロシア出身の「Lumo」選手が加入しました。コーチ陣では、元Jadeiteの「noppo」監督・「Bullco」コーチが参加しています。
今回のインタビューでは、新メンバーを含む5人のほか、ロシア出身のFadezisコーチ、Bullco新コーチがインタビューに答えてくれました。
──Fadezisコーチから見て、新生SCARZはどのような印象ですか?
Fadezisコーチ:前のチームよりも年齢が平均的に若くて、エネルギッシュです。幼稚園みたいでちょっと疲れます(笑)
──どのような点を評価してMrTenzouEz選手、Lumo選手、Tempura選手を選びましたか?
Fadezisコーチ:MrTenzouEz選手は、今年のSplit 2から見ていました。彼のプレイにはとても関心させられるところがあり、今回のチーム変革でまず初めに思い浮かんだ選手でした。(18歳と)若いってところもあるし、ポテンシャルのある選手ですね。
Lumo選手に関しては、ファイトパワーがあって、しかもシーンでの経験もある選手ということで選びました。彼はポテンシャルがあるだけではなく、このチームで自分を証明したいというハングリーさ、勝利に対して強い熱意がある選手です。
※写真:左からTempura選手、Lumo選手、Allen選手
Fadezisコーチ:Tempura選手は、とても勤勉でハードワークなところがすごくいいなと思っています。トライアウト時には、とある特殊なエージェントを使ってもらったのですが、それ以外にもラインナップを全部覚えてくれるようなほんとに勤勉な、そして才能のある選手だと思いました。彼自身にもやはりハングリーなところもあって、チームに入りたいという強い気持ちを見せてくれたので、そこも気に入っています。
総合的にいうと、3人ともポテンシャルがあって、ハングリーだってところが何よりもあったかと思います。
──SCARZ新加入のMrTenzouEz選手、Lumo選手、Tempura選手と、Bullcoコーチの課題・目標をお聞かせください。
MrTenzouEz:今の状況だと、英語がまだ上手く話せなくて、今後上達していくにつれてプレイだったり、コミュニケーションミスがなくなったり良くなると思います。(※注:SCARZのチーム内コミュニケーションは英語)
※写真:左からYoshiii選手、MrTenzouEz選手、Tempura選手
Tempura:自分も同じで、まだ英語がそこまで喋れるわけじゃないので、そこはVCJに向けて調整していくって感じです。今のSCARZは前よりもマクロ面やバックアップがしっかりしていると思うので、安定して勝てるチームを作っていきたいと思います。
Lumo:お互いを支え合えるような、そんなチームになってきていると思います。チームの関係性もいいですし、フィジカルが元々強いチームなので、そこをしっかりと自分もやっていけるようになったらいいなと思っています。
Bullcoコーチ:コミュニケーションで連携にディレイが入ることもありますが、5人ともフィジカルが強く、クラッチできる選手なので、そのあたりはやっていく上で改善できると思います。IGL(インゲームリーダー)のLumoもマクロ的なところをしっかりコールしてくれるので、これからFadezisと一緒にマクロもフィジカルもあるチームを作っていけたらなと思います。
※写真:左からBullco新コーチ、Fadezisコーチ
──日本や世界を代表するトップチームが集まるこの大会ですが、中でも注目している選手を教えてください。
Yoshiii:FnaticのDerke選手です。世界トップのデュエリストだと思うので、同じデュエリストとして、彼にどう対峙できるかを見たいです。
Lumo:同じくFnaticのBoaster選手です。彼が純粋に良い選手で良いやつだということ、そして彼の経験とかそういったところを見たいなと思います。(※注:Boaster選手は3年連続で世界大会に出場、2023年は世界大会で2度優勝)
MrTenzouEz:FnaticのLeoと、FENNELのGON。Leoは昔から好きで、選手としてリスペクトしています。GONは一番仲の良い日本の選手なので、注目しています。
Tempura:FnaticのAlfajer選手。1対1の勝率の高さだったり、立ち回りが尊敬できるので、戦ってみたいという気持ちがあります。
Allen:Fnatic全員になると思うんですけど、中でもIGLのBoaster選手です。相手の動きをどう読み取るかってところで、Boasterの動きを読むという感じで、戦いたいというのがあります。
──両国国技館で開催となるこの大会について、思いや意気込みをお聞かせください。
Tempura:始めてのオフライン大会ですし、プレッシャーは結構あるんですけど、そこはゲームで見せるしかないと思っています。両国国技館については、おじいちゃんとかおばあちゃんが相撲をよく見ていたので、その場所でプレイできるというのは新鮮というか、こんなところで出来るということにびっくりしています。
Yoshiii:チームとしてどれだけプレイできるかってことを、この国際的な舞台で見せたいですし、自分たちも見たいと思っています。難しいところでもあると思いますが、ここでやはり強さを見せたいです。
新生SCARZは11月3日の14時16分から、前回大会優勝チーム「100 Thieves」と対戦します。「Red Bull Home Ground 2023」の試合内容は、Twitch上でもライブ配信される予定です。