Appleは10月31日、新しい「MacBook Pro」のラインナップを発表しました。このシリーズで最も安価なのはM3チップ搭載の14インチ「MacBook Pro」ですが、このモデルには「欠落した機能」があるとテックメディア「9to5Mac」が指摘しています。
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M3搭載「MacBook Pro」でも残る外部ディスプレイの制限
Appleは新しい「MacBook Pro」に搭載されたM3チップについて、CPUとGPUのパフォーマンスのそれぞれ20%の向上など、様々なアップグレードをアピールしました。しかし、基本的な性能が向上した一方で、M3チップにはM1以来の制限が残されています。
それは、外部ディスプレイを1枚しかサポートしない点です。Apple公式サイトの仕様では「1台の外部ディスプレイで最大6K解像度、60Hz」とされています。
これはM1チップのころから変わっていない制限で、マルチモニターで使用したいユーザーにとっての障壁となっています。その後リリースされたM1 ProとM1 Max登載「MacBook Pro」が2~3台のディスプレイを初めてサポートした一方、2022年6月に発表されたM2搭載「MacBook Air」と13インチ「MacBook Pro」は、複数の外部モニターをサポートしませんでした。
My biggest complaint is that the new Air is stuck supporting only a single external monitor (up to 6K). I would have preferred the option to plug in two monitors at once, which many Windows laptops in this price range offer.
— 引用:Tom’s Guide
訳:最大の不満は、新型Airが1台の外部モニター(最大6K)しかサポートしていないことだ。この価格帯のWindowsノートパソコンの多くが提供している、2台のモニターを同時に接続できるオプションがあればもっと良かった。
Appleは今回発表したM3チップでも、サポートする外部ディスプレイを1枚に留めています。「9to5Mac」は、Appleがこれを「M3 Pro/Maxチップとの差別化要因にしている」と指摘しました。
While the lower $1,599 starting price for the 14-inch MacBook Pro may be tempting, that’s a notable compromise to only have support for one monitor – especially for those planning to keep the new machine for a while.
— 引用:9to5Mac
訳:14インチMacBook Proの1,599ドルという低価格は魅力的かもしれないが、モニターが1台しかサポートされないのは大きな妥協点だ。
チップ以外のハードウェア面では、M3搭載モデルとM3 Pro/M3 Max搭載モデルにほとんど差がないだけに、この違いは「MacBook Pro」を選ぶ上で悩ましいポイントです。2枚のディスプレイに出力可能なM3 Pro搭載「MacBook Pro」は328,800円(税込)からと、M3搭載モデルに比べ8万円の価格差があります。
なお、外部ディスプレイと接続していても、SidecarによるiPadへの画面拡張・ミラーリングは可能です。iPadを所持している場合、こちらを2枚目以降の外部ディスプレイとして使用するのもアリでしょう。