世界最軽量の機械式時計と称される「MING LW.01」。手巻きモデルがわずか8.8グラムという驚異的な軽さを誇るこの腕時計について、デザインメディア「Yanko Design」が解説しています。
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世界最軽量の機械式うで時計「MING LW.01」
「MING LW.01」の筐体は、カーボンよりも軽量でありながらメタルの高級感を持つ特殊な金属合金から作られています。さらに、耐腐食性と生体適合性のため、プラズマ電解酸化によってさらに表面処理され、複合保護層が施されているとのこと。
字盤はまったくないシンプルなデザインです。LW.01の分針はムーブメントを隠すディスクの上にあり、中央部分には時計の骨格を隠すグラデーション・プリントが施されています。
ガラスはスマートフォンにも搭載されるコーニング・ゴリラ・ガラスですが、英国を拠点とするナイト・オプティカル社による別個の硬化処理が施され、サファイアガラス並みの強度となっているとのこと。
ケースと同じビレットから機械加工された固定式のインテグラル・バーは、剛性を高めるだけでなく、従来のスチール製スプリング・バーよりも軽量化されています。
More importantly, it would have to be practically wearable and not technically compromised purely for the sake of lightness. As it turns out, it would take us a couple of years longer than expected and an exhaustive amount of metallurgy and testing.
— 引用:Ming
訳:重要なのは、実用的に着用可能で、純粋に軽さを追求するために技術的に妥協してはならないということです。結果的には、予想よりも2、3年長くかかり、徹底的な冶金学とテストが必要でした。
We explored a wide range of ultralight materials including carbon fiber derivatives and hollow-core 3D printing, but ultimately found that AZ31 Magnesium-Aluminium-Zinc-Manganese alloy from Smiths High Performance was both lighter than carbon (1.77g/cc, vs ~2g/cc density), more consistent to produce than hollow 3D printing, and more importantly retained the feel of metal
— 引用:Ming
訳:カーボンファイバー派生素材や中空コア3Dプリンティングを含む幅広い超軽量素材を検討しましたが、最終的にSmiths High PerformanceのAZ31マグネシウム-アルミニウム-亜鉛-マンガン合金がカーボンよりも軽く(密度1.77g/cc、対して~2g/cc)、中空3Dプリンティングよりも安定して製造でき、さらに重要なことに金属の感触を保持していることがわかりました。
その結果、手巻きでわずか8.8グラム、自動巻きで10.8グラムという軽さを実現することができたとのことです。