NASAは、寿命が近づいた「宇宙ステーション」を地球に墜落させて処分しようとしています。NASAによると、あと10年で寿命が尽きるとのことです。
宇宙ステーションは、いったい地球上のどこに捨てられるのでしょうか?宇宙ステーションの処分方法について、海外YouTubeチャンネル「Interesting Engineering」が解説しています。
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宇宙ステーションが捨てられる「宇宙線の墓場」とは?
宇宙ステーションは、20年以上にわたり、国際協力と科学的進歩の道標となってきました。平均高度408kmで地球を周回する宇宙ステーションは、世界中の宇宙飛行士のための家であり実験室として機能してきました。しかし、宇宙ステーションにも寿命があり、その終わりが近づいています。
NASAは役割を果たした宇宙ステーションを、2031年までに海に墜落させようとしています。この計画では、まず地球の大気圏に突入するまで軌道を徐々に下げていきます。下降するにつれ、宇宙ステーションはバラバラになり、残った破片は「ポイント・ネモ」と呼ばれる海に落とされます。
「ポイント・ネモ」は、陸地から約2,700kmも離れており、スペースデブリの制御された軌道離脱には理想的な場所です。そのことから「ポイント・ネモ」は宇宙線の墓場とも呼ばれています。
なぜ、宇宙ステーションを宇宙に放置するのではなく、わざわざ地球に墜落させる必要があるのでしょうか?当然のことながら、重量419,700kgを超える宇宙ステーションを安全に軌道から離脱させ、目的地に墜落させることは並大抵のことではありません。
しかし、宇宙ステーションを運用期間終了後も軌道上に残しておくことは、他の衛星や将来の宇宙ミッションにリスクをもたらす可能性があります。また、宇宙ステーションを放置すればスペースデブリ増加に拍車をかけることにもなりかねません。
そのため、制御できる状態の時に意図的に墜落させようとしているのです。
この制御された軌道離脱を実現するために、NASAは約269億円を費やして新しい「スペース・タグ」を開発しています。この特別に設計された宇宙船が、宇宙ステーションを最後の地へと導くのです。
NASAは、2020年代後半までに宇宙ステーションから地球低軌道上の商業所有・運営宇宙船に移行する意向を表明しています。この移行は、より広範な科学実験をサポートし、さらなる開発の足がかりとなる可能性があります。
NASAのこのような動きは、宇宙運用における安全性、正確性、そして先見性の重要性を強調しています。宇宙ステーションの時代の終わりは、宇宙という広大な領域における新たな地平線、革新、そして探求への道を切り開くことになると「Interesting Engineering」は述べています。