銃やミサイル、そして魚雷などは非常に強力であらゆる場所で使用されています。しかし、これらの兵器には課題があります。それは、弾やミサイルを「装填・再装填」することが非常に危険で手間な作業だということです。
暴発などのリスクはもちろんのこと、「時間がかかりすぎる」というのも問題。装填中に負傷者が出たり、機器が破損したりすることも珍しくありません。軍事兵器に詳しい海外YouTubeチャンネル「Not What You Think」が、兵器ごとの装填事情について解説しています。
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リロードが特殊で〝超面倒〟な現代兵器たち
現代兵器はどのようにして弾薬やミサイルをリロードしているのでしょうか。
【1】近接防御火器システム「ファランクス」
ファランクスは拡張マガジンドラムに1,550発を収納し、毎分最大4,500発の速度で発射できます。各弾は劣化ウランまたは徹甲タングステンから作られ、飛来するミサイルの機体を破壊するように設計されています。
ファランクスの再装填には当初、最低でも2人以上の人員が必要で、なんと約30分もの時間がかかりました。
今は新しい弾薬ローダーとアンローダーカートが開発されたことによって作業時間は5分に短縮されています。
【2】超短距離防空システム「MANTIS」
MANTISは、ドイツが使用している超短距離防空システムです。CIWSに似ているかもしれませんが、両者には大きな違いがあります。
CIWSは20mm弾を使いますが、MANTISは35mm弾を使います。そして、MANTISの銃口から発射されるすべての弾丸は、磁気コイル誘導を使用して、特定の時間に爆発するようにプログラムされています。弾丸は標的に命中する前に爆発し、副弾頭が放出されます。この仕組みによって、小さな目標でも破壊することができます。
そんなMANTISの装填は一度に7発ずつ手動で行う必要があります。
手動で装填をしなければならないため、常に危険と隣り合わせです。
【3】ミサイル発射システム「VLS」
VLSは潜水艦を含む艦艇に使用されるミサイル発射システムです。VLSにミサイルを装填するには「クレーン」と「安全性」が必要です。海上で装填するため、この作業は容易ではありません。そのため米海軍は現在、承認された桟橋でのみVLSの装填を許可しています。
米海軍は、海上で装填できる巨大なクレーンを装備したMVオーシャン・バロールの実験を行っています。
2022年10月7日の実験ではVLSの装填に成功しています。
【4】M45艦砲
M45艦砲は11ヵ国に150丁以上が配備されています。M45艦砲が好まれる理由は「殺傷能力の高さ」と「自動装填システム」があるからです。M45艦砲に精密誘導弾を組み合わせれば、24キロ〜90キロ以上離れたところでも、5メートルの誤差で撃つことができます。
M45艦砲は甲板下に自動装填装置があり、最大20発の自動発射が可能です。しかし自動装填装置の弾丸は1分強で使い切られるため、その後は4人の乗組員が手動で装填する必要があります。
ただし新型M45艦砲であれば毎分6発の発射速度で192発を自動的に処理できるため、手動装填の必要性が無くなっています。
【5】魚雷とハープーン
水中を進む魚雷と水上に向けて発射されるハープーンは潜水艦の主要兵装です。魚雷とハープーンはクレーンを使って潜水艦に乗せられます。危険なため、下ろされたミサイルは人間の目で固定されているかが確認され、慎重に潜水艦内に降下されます。バージニア級潜水艦は魚雷室に最大26本の魚雷を格納することができます。
魚雷とハープーンを発射するには、一発ずつ、発射管に装填する必要があります。ただし装填は機械アームで行われるため、人間の作業はボタンを1回押すだけです。