Appleは2023年に発売された「iPhone15」で初めてUSB-Cポートを搭載しましたが、この規格が発表されたのは9年前の2014年です。Googleは2015年にスマホの充電コネクタをUSB-Cに変更しており、続いてサムスンも2016年に同様の変更を行っています。
またAppleはMacBookシリーズに積極的にUSB-Cポートを搭載しています。なぜiPhoneだけが、USB-Cへの切り替えが遅れたのでしょうか?この理由について、Appleに詳しいYouTubeチャンネル「Apple Explained」が解説しています。
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AppleがlightningからUSB-Cに移行した理由とは?
Appleが「iPhone 15」までUSB-Cを導入しなかった主な理由は「USB-Cの登場タイミング」と「Lightningの収益性」の2点です。
USB-CはAppleが「30ピンのiPodコネクタ」から「Lightningコネクタ」に移行した1年後に登場しています。
当時Appleは、Lightningに切り替えたことでユーザーからかなりの反発を買っていました。なぜなら、新しいコネクタに切り替えることで、新たなアクセサリや充電器を購入しなければならなかったからです。
そして、もしすぐにUSB-Cに変更すれば、ユーザーは再度アクセサリを購入する必要があります。Appleはその非難を避けたかったのでしょう。
そして、Lightningは収益面でもAppleに大きな影響を与えていました。サードパーティ企業がLightningを使用する場合、ライセンス料を支払う必要がありました。もしUSB-Cに変更した場合、Appleはこの収益も失うことになります。
これらの状況から、Appleはなし崩しにLightningポートを採用し続けている状態でした。Appleには、iPhoneをUSB-Cに切り替える動機がほとんどなかったのです。しかし、そこにEUが介入します。
EUは「2024年秋までにすべてのスマートフォン、タブレット、カメラ、ヘッドホンに標準コネクタを搭載することを強制する」という法案を可決しました。
そして、EUが標準として選定したコネクタはUSB-Cでした。この法律により、ユーザーはデバイスごとに異なる充電器を購入する必要がなくなります。さらに、充電器を1つしか使わないということは、電子機器廃棄物を減らすということにも繋がります。
この法律の影響でAppleは「iPhone 15」をLightningからUSB-Cに変更しなければなりませんでした。なおAppleはその他周辺機器のポートもUSB-Cに切り替えているため、今後Lightningポートを搭載した製品が登場することはまずないでしょう。