シベリアでは、温暖化によって永久凍土が溶け出し、いくつもの陥没穴が出現しています。中でも最も大きく有名なのが、地元住民が「地下世界への門」などとも呼ばれるバダカイカ・クレーターです。
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直径1km、深さ100mの巨大陥没穴「バタガイカ・クレーター」
バタガイカ・クレーターはヤクーツクから北東約660kmの地点にある陥没穴で、直径はおよそ1km、深さは100m。しかし、2016年に発表された調査によると、1年に平均10メートルずつ大きくなっているといわれています。
この土地が最初に沈み始めたのは、周囲の森林が伐採され、永久凍土が解け始めた60年代のことです。サウサンプトン大学の地理学者メアリー・エドワーズ氏は、このクレーターは「減速する前に丘陵斜面全体を食い尽くす」と予測しており、「このような現象が一度起きてしまうと、それを止めるのは非常に難しい」と述べています。
“Every year as soon as temperatures go above freezing, it’s going to start happening again,” she said. “Once you’ve exposed something like this, it’s very hard to stop it.”
— 出典:earth observatory
ドローンで捉えられた、現在のバタガイカ・クレーターの様子がこちら。クレーターの縁からは水が流れており、永久凍土が溶け出してしまっていることが分かります。
クレーターの拡大は、地元の人々にとって危険なだけではなく、封じ込められていた温暖化ガスが露出するのではないかという懸念もあります。また以前には、このクレーターから未知の古代のウイルスが発見されたこともあり、研究者は「古代の未知のウイルスの復活」によってパンデミックが引き起こされれば「悲惨なものになる」と警告していました。
The situation would be much more disastrous in the case of plant, animal, or human diseases caused by the revival of an ancient unknown virus
— 出典:biorixv