未確認動物(UMA)の代表例として知られるネス湖の怪獣「ネッシー」。ネッシーの正体としては様々な説がありますが、その中でも有力な説の一つだった「巨大ウナギ」説に結論がでています。
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ネッシーの正体は「巨大ウナギ」説
ネス湖の怪物が初めて登場したのは、1930年代に、淡水のネス湖を訪れた観光客が珍しいものを目撃したという報告からです。ネッシーと呼ばれるようになったこの怪獣は、プレシオサウルス(海蛇)に似た見た目をしているとされています。
ネッシーの実写写真として有名なのが、医師ロバート・ケネス・ウィルソンが1934年に「デイリー・メール」紙に掲載したもの。ただし、この写真は現在、俳優のマーマデューク・ウェザレルが仕組んだデマと考えられています。
ニュージーランドのオタゴ大学の遺伝学者ニール・ジェンメルは2018年、真実を解明するために大きな試みを行いました。彼と彼のチームはネス湖の水を広範囲に採取し、そこに生息するすべての種のデータベースを作成するために環境DNAをふるいにかけました。
そこでは、ウミヘビやプレシオサウルスのDNAは発見されませんでした。しかし、ヨーロッパウナギ(Anguilla anguilla)のDNAはたくさん見つかったのです。彼のチームは結論として、もし誰かが湖の中で「長くてくねくねしたもの」を見つけたとしたら、それは巨大なウナギだったのではないか、と結論づけました。
これを受け、調査に乗り出したのが民俗動物学協会のデータ科学者フロー・フォクソン氏です。彼はネス湖やヨーロッパの他の水域におけるウナギの捕獲データを分析し、目撃されたネッシーと同一サイズのウナギが存在するのかを調査しました。
2万尾以上のウナギを対象としたフォクソン氏の分析では、ヨーロッパウナギの最大体長は0.932メートル。さらに、生理学的に可能なヨーロッパウナギの最大体長は1.3メートルと推定されました。
対して、ネッシーの大きさは最大6.1メートルとされています。フォクソン氏は「ネス湖で大型のウナギが見つかる確率は、1メートルの標本で5万分の1程度である。しかし、6メートル以上の標本が見つかる確率は基本的にゼロである」と結論づけ、この「巨大ウナギ説」を否定しました。