ロサンゼルス・エンゼルスの大谷翔平選手がまたもメジャーリーグの大記録に辿り着こうとしています! 現地時間18日、大谷選手は本拠地ロサンゼルスで行われたヤンキース戦で三塁打を記録し、今シーズンの塁打数を246としました! これをメジャーリーグのレギュラーシーズン年間試合数162試合で換算すると415。シーズン400塁打超え達成となれば、22年ぶりの快挙となります!
【MLB】負の時代に宣戦布告!! 大谷選手が挑む”400”という数字
目次
- 1. 塁打とは?
- 2. 400塁打という記録
- 3. MLB「負の歴史」?
- 3.1. あの有名選手たちもこの時代にプレー
- 3.2. 元メジャーリーガーによる告発
- 3.3. この時代も含めMLBの歴史という考え方
- 4. 時代を塗り替えろ!!
塁打とは?
野球に馴染みのある方でなければ普段あまり聞く機会のない「塁打」という言葉。まずは塁打という言葉についてご説明します! 塁打とは野球における打撃記録のひとつで、ヒットを打った打者が踏んだベースの数を合計した指標のことです。単打を1、二塁打を2、三塁打を3、本塁打(ホームラン)を4で計算。塁打を打数で割ったものを長打率と呼び、この数字が大きければ大きいほど強打者ということになり、打者としての期待値も高くなります。
400塁打という記録
現在大谷選手の今シーズンにおける塁打数は246。これを1シーズンで換算すると415ということになりますが、これはあくまでもこのままのペースでいけばという数字です。まだ後半戦が始まったばかりの今季のメジャーリーグで、大谷選手の塁打記録に注目が集まっているのには理由があります!
22年間到達できていない大記録だからという理由や、数々の大記録を打ち立てている大谷選手への期待の高さからという理由ももちろんありますが、何よりも過去に400塁打を達成した選手たちのプレーした時代背景が関係しているようです。
MLB「負の歴史」?
野球に詳しい方ならすぐにピンとくるのではないでしょうか? 現在でも賛否の分かれるメジャーリーグの歴史のひとつ、”ステロイド時代”。今季大谷選手が達成すれば22年ぶりの快挙となるシーズン400塁打という記録ですが、22年前の2001年にはなんと4人もの選手がこの記録を達成していたようです!
22年間も達成されなかった大記録にも関わらず、達成できた選手が1シーズンで4人も現れたことは偶然とは思えませんよね? 今回ご紹介している塁打数という観点からは少し離れてしまいますが、メジャーリーグ全体の本塁打数歴代記録を見ても、1990年代後半から2000年代前半にかけての記録が上位に多くあることがわかります。
この頃をメジャーリーグ界では”ステロイド時代”と呼んでおり、多くのメジャーリーガーがステロイドを使用しプレーしていた時代と言われているようです。
あの有名選手たちもこの時代にプレー
シーズン400塁打を達成した選手は過去29人いますが、その多くがこの”ステロイド時代”に記録されています。そしてメジャーリーグシーズン本塁打ランキング歴代トップの記録を持つ、バリー・ボンズ選手が73本の本塁打記録を樹立したのも、この”ステロイド時代”にあたる2001年のことです。
更にバリー・ボンズ選手の持つ歴代本塁打記録に次ぐシーズン70本塁打をマーク・マグワイア選手が記録したのが1998年。そのマーク・マグワイア選手と熾烈なホームラン王争いを繰り広げたサミー・ソーサ選手が66本塁打を記録したのも1998年です。
その他にもアレックス・ロドリゲス選手が自身最多本塁打数を記録したのが2002年など、多くの有名メジャーリーガーがこの”ステロイド時代”に大きな活躍を見せましたが、それらの活躍に疑問符が付けられることとなります。
元メジャーリーガーによる告発
このステロイド使用の事実はある元メジャーリーガーのホセ・カンセロ選手の著書によって告発されます。ただカンセロ選手に悪意はなく「ステロイドという魔法の薬をメジャーリーグに広めたのは自分だ。みんなも使おう!」という趣旨で書かれていたようです。
このカンセロ選手の告発により発覚したステロイド使用の事実ですが、そもそもこの頃のMLB機構はステロイドを含むドーピングに対する考えが非常に甘く、2003年にようやくドーピング検査が導入されるようになったばかり。しかも当時はドーピングが発覚しても特に罰則等は設けられていなかったようです。
こういった背景からステロイドの使用が日常的に行われ、カンセロ選手の著書の中にある「MLB選手の85%がステロイドを使用している」という一文からも多くのメジャーリーガーがステロイドを使用していたことがわかります。
この時代も含めMLBの歴史という考え方
スポーツの世界においてドーピングという言葉は、決して良い意味で使われることはありません。ですがメジャーリーグファンや関係者の中には、この”ステロイド時代”をただの「負の歴史」という言葉で終わらせるべきではないと考える人たちもいるようです。実際にこの時代に活躍し大記録を残した名選手も数多く存在し、メジャーリーグ全体を盛り上げたのも事実! この時代があったからこそ、今のメジャーリーグがあるという考えなのでしょうね!
時代を塗り替えろ!!
このような時代に誕生した、いわくつきの大記録に挑む我らが大谷選手! その記録を塗り替え、未到の塁打数を達成することができるのでしょうか? 22年ぶりのシーズン400塁打達成、そして塗り替えられることのない更なる高みへの到達に期待が膨らみますね! シーズン終了時の大谷選手の記録が楽しみです!!