「The Soul Publishing」という会社は「5 Minute Crafts」「123 Go!」「Bright Side」「Slick Slime Sam」「La La Life」「Baby Zoo」というYouTubeチャンネルを運営しており、登録者を合計するとなんと12億人を超えます。
しかし最近、彼らが運営しているチャンネルは上手くいっていません。このYouTuberが失脚した理由について、海外YouTubeチャンネル「Logically Answered」が解説しています。
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なぜ最強YouTuberが苦戦しているのか?
「The Soul Publishing」は2016年に設立されたばかりですが、21の言語で1日に何百本もの動画を投稿したことによって急成長をしました。しかし、最近では登録者が8000万人いる「5 Minute Crafts」の動画ですら再生回数が10万回を下回ることが多々あります。
また、登録者が4500万人いる「Bright Side」の動画も最新の再生回数は1.2万回程度です。全盛期の「Bright Side」が月間1億5000万回から2億回再生されていたことを考えると、苦戦していると言わざるを得ません。
当然のことながら、再生回数が取れていないため「Bright Side」の登録者も増えておらず、登録者の純増数が0になった月も複数あります。
なぜ、急成長していた「The Soul Publishing」がここまで苦戦しているのでしょうか?そこには複数の理由があります。
まずは、彼らの動画に政治的メッセージが含まれているからだと「Logically Answered」は指摘します。特に「The Soul Publishing」の動画にはロシアを支持する内容が含まれることがあります。
実際、2019年に彼らはウクライナがロシアの一部だと主張した動画(現在は削除されています)を投稿しています。また別の動画では、アラスカはロシアからアメリカへの贈り物だとも主張しています。
「The Soul Publishing」がロシアよりの動画を作成する理由は、同社がロシア人によって運営されているからです。つまり、「The Soul Publishing」は世界最大のコンテンツ製造会社であるだけでなく、世界最大のプロパガンダ・マシーンだということです。
そして「The Soul Publishing」の動画には他にも大きな欠点があります。それは動画のクオリティです。彼らの動画は低クオリティだったのです。
ただ、彼らはタイトルとサムネイルを魅力的に作成する術を持っており、再生回数を稼ぐことに成功していました。2017年と2018年のYouTubeには、本当に必要なのはそれだけだったのです。また、彼らは毎日何十本もの動画を投稿していたので、たとえ99%の動画が低クオリティであっても、1%の動画が評価されればそれでいいと考えていました。
「The Soul Publishing」の戦略は当たり、それぞれのチャンネルは数千万人のチャンネル登録者を獲得します。そして2019年までに、彼らは550人の従業員を雇い、毎月1500本の動画を公開していきます。
ところが、この快進撃は長くは続かず苦難に直面します。苦難の原因はYouTubeのアルゴリズムの変更です。2020年代に入ると、YouTubeはクリックベイトを規制し始めます。クリックベイトとは、内容が低クオリティであるにも関わらずサムネイルで視聴者を集める戦法のことです。
言い換えれば、YouTubeで再生回数を稼ぐには「平均視聴時間」が大切になったということです。そのため、ストーリーや内容を重視した動画が流行し始め、クリエイターはどんどん長い動画を作成するようになりました。
しかし、低クオリティ動画が多い「The Soul Publishing」にとっては最悪のニュースでした。実際、ユーザーの多くは「The Soul Publishing」の動画を再生をしてもすぐに違う動画に移っていました。また、サムネイルで釣られた視聴者は今後「The Soul Publishing」の動画を見ることはありません。
次にYouTubeはTikTokのような短い動画(ユーチューブショーツ)に注力し出します。その結果「The Soul Publishing」の長い動画を見ていた多くのユーザーはユーチューブショーツに流れ出し、より同社の動画の再生回数を低迷させることになりました。
このような理由から「The Soul Publishing」は、登録者が12億人いるにも関わらず低迷してしまったのです。