Twitterの代替アプリとして注目を浴びているMetaの新アプリ「Theads」。突如として登場したイメージのあるこのアプリですが、Metaは2019年にも同じ名称のアプリをリリースしています。
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Metaが2019年にリリースした「Threads」
「Threads from Instagram」は2019年10月にローンチされたアプリです。当時のFacebook(現Meta)のプレスリリースには、以下のように書かれています。
Instagram、新しい単独メッセージアプリ「Threads(スレッズ)」を発表
Threadsは、親しい友達とより簡単につながること、瞬時にやりとりができること、そしてプライバシーを考えてデザインされた単独アプリです。利用者は、Instagramで作成した「親しい友達リスト」に追加されているアカウントと、写真・動画・メッセージ・ストーリーズなどをシェアすることができます。Threadsでやりとりする相手は利用者自身がカスタマイズし、管理することができます。
— 出典:Meta
このアプリはAndroid、iOS向けにリリースされましたが、ほとんど話題にならず、現在はすでにストアページも削除されています。
デザイン専門メディア「YANKO DESIGN」によれば、このアプリはTwitterというより「SnapChatに近いもの」だったそうです。しかし「わずか数千のダウンロードとひどいパフォーマンス」の後、2021年に閉鎖されたとのこと。
昔のThreadsを覚えている人は少ないだろう。私もほとんど覚えていないが、これはインスタグラムがネットワークを再びソーシャルなものにするための方法だった。チームは、IGが徐々に無用の存在になりつつある中(これはリールが流行る前の話だ)、人々が実際にコンテンツを見るよりも、主にDMを送り合うためにアプリを使っていることに気づいた。投稿に友達をタグ付けする人はいなくなり、ただ親しい友達と投稿やミームを共有し、実際のホームフィードではなく、メッセージ欄で小宇宙的なネットワークを作っていた。
人々はIGのフィルターも愛用していたが、自分のコンテンツをストーリーやプロフィールに大量に公開する代わりに、3~4人の親しい友人と共有する方がずっと快適だった。これを見たモッサリ率いるインスタグラムは、これは完全に新しいアプリに値すると判断した。インスタもグラムもないIG。DMとARフィルターだけ……あるいは単純に、SnapChatのクローンだ。
— 出典:YANKO DESIGN
当時のThreadsのUIはこんな感じ。現在のTwitterライクなデザインとは全くことなるデザインです。
このアプリは2019年にリリースされたものの、ユーザーはほとんどおらず、アプリストアでの評価数もたった2,500件程度と、Meta史上最もパフォーマンスの悪いアプリとしてひっそりサービスを終了しました。
Threadsの閉鎖後からまもない2021年7月、テックメディア「TechCrunch」は「Facebookが一部の公開ページでツイッターのような機能をテストしている」と報じています。その1年後、イーロン・マスクがTwitterを買収し、様々な仕様変更やバグでユーザーを混乱させました。
これを好機とみたMetaは、Twitterが投稿閲覧数の制限をかけたタイミングで、生まれ変わった「Threads」をリリースしました。同アプリはすでに1億人以上のユーザーを獲得し、Twitterを脅かす存在と変貌しています。