Appleは10年以上にわたりiPhoneに「S」の文字がついたモデルを設けていました。しかし、近年のiPhoneシリーズではこの命名ルールのモデルが登場することはなく、2023年現在では「S」のついたモデルはラインナップから完全に消滅しています。
なぜAppleは、Sモデルを廃止したのでしょうか?その理由について、Appleに詳しいYouTubeチャンネル「Apple Explained」が解説しています。
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なぜiPhoneから「Sモデル」が無くなったのか?
以前のAppleは「iPhone 3G(2008年)」→「iPhone 3GS(2009年)」→「iPhone 4(2010年)」→「iPhone 4S(2011年)」のようにマイナーアップデートを挟み、2年ごとにiPhoneをメジャーアップデートしてきました。実際に「iPhone 4」と「iPhone 4S」の大きな違いはSiriが使えるかどうかだけです。
つまり、Appleはメジャーアップデートの準備に2年の時間を費やすことができたということです。
Appleは「iPhone 6S(2015年)」の翌年に、ホームボタンがなく、ノッチとスワイプナビゲーションを搭載した「iPhone X」を発表しようと計画していました。
しかし、「iPhone X」の開発には3年程度の時間がかかり2017年の発売になってしまいます。つまり、今までの2年でメジャーアップデートするというサイクルを狂わせてしまったということです。実際、2016年には「iPhone 6シリーズ」と同じデザインの「iPhone 7」を発売しユーザーを混乱させています。
その後もAppleは「iPhone X」と同年にマイナーアップデートの「iPhone 8」を発売し、ユーザーをより混乱させてしまいました。
Appleは「iPhone XS」までSの命名ルールを継続しましたが、これは更にユーザーを混乱させました。このような混乱を解消するために、AppleはSモデルを廃止し、デザインの変更や追加機能にかかわらず新しい番号を付けるというシンプルな方法を取るようになったのです。
ちなみにAppleは「S」モデルの廃止と同時に「Pro」モデルを導入し、上位モデルをより差別化する路線を採用しています。この状況を考えると、少なくとも今後数年は「S」がついたモデルが登場することはないでしょう。