Appleの「Vision Pro」と他社のヘッドセットを大きく差別化しているのが超高解像度なマイクロOLEDディスプレイです。このディスプレイは従来のサプライヤーであるサムスンやLGではなく、ソニーが供給しています。
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Apple「Vision Pro」コストの48%はソニー製ディスプレイ
ディスプレイ業界に詳しいロス・ヤング氏によれば、このマイクロLEDディスプレイの解像度は3400ppiとのこと。参考までに、Metaの「Oculus Quest 2」は773ppi、他の一般的な10〜20万円のVRヘッドセットの解像度もその付近です。
iPhoneなどのハイエンド製品のディスプレイは通常、サムスンやLGが供給しています。しかしApple専門ブログ「Patently Apple」や業界関係者のリークによれば、この最先端のマイクロOLEDはソニーが供給しているとのこと。外側ディスプレイはLG製ですが、最も重要な内部のディスプレイではソニーが競合他社を先んじた形です。
Apple Vision Proの内部ディスプレイはソニーが、ヘッドセットの外部ディスプレイはLGが提供します。
ソニーがOLEDoSと呼ばれるヘッドセット用の高収益な高コストの内部ディスプレイの受注を獲得したのに対し、LGディスプレイは外部ディスプレイの受注を獲得した。
— 出典:Patently Apple
ただし、このディスプレイは高性能な反面で、非常に高価です。「Vision Pro」は約50万円と非常に高額ですが、このディスプレイのコストはその48.1%を占めているとのこと。
Apple Vision Proの最も高価な部品はディスプレイで、小売価格の48.1%を占めています。ディスプレイは、内側がマイクロOLEDパネル、外側が通常のOLEDパネルで構成されています。
ソニーは、デバイスの構成要素の中で最も単価の高い内蔵型マイクロOLEDパネルを供給するとされています。マイクロOLEDパネルは1枚あたり約350米ドルで、各機器に2枚必要です。外付けのOLEDディスプレイはLG Displayが供給し、1枚あたり約30米ドルです。
— 出典:Patently Apple
また、韓国テックメディア「The Elec」によれば、ソニーの生産能力では、わずか年間90万台が限界とのこと。そのため、サムスンが変わって供給源になることを狙っているようです。
Apple Vision Proの出荷量はどれくらい? ソニーのOledosの生産能力は年間90万台が限界
日本ソニーのオレドスの生産能力が年間90万台が最大であることが分かった。ソニーが直ちに当該生産ラインを増やす計画がないため、来年のアップルのMRヘッドセット「ビジョンプロ」の出荷量も数十万台にとどまると予想される。サムスンディスプレイが開発中の「RGB方式」オレドスも観戦ポイントだ。アップルは今回のビジョンプロに「WOLED+CF方式」オレドスを適用したが、「RGB方式」オレドスにも関心を示している。
— 出典:The Elec
サムスンに先んじてApple次期製品のサプライヤーとしての立ち位置を獲得したソニーですが、今後もその座を守るには、かなり厳しい競争を強いられることとなりそうです。