イーロン・マスクがTwitterを買収して以来、彼の経営に不満や不安を持つユーザーは、代替となるSNSを探しています。代表的なものが分散型SNS「Mastodon」やTwitter創設者であるジャック・ドーシーが支援する新しいSNS「Bluesky」などですが、同時にFaceBookやインスタグラムを持つMetaも、Twitter代替の新しいアプリを開発しているようです。
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MetaのTwitter代替アプリ「Threads」
ジャーナリストのリエ・ハバーマン氏は以前、Metaの内部マーケティングスライドから、同社がTwitterに対抗するために開発しているアプリをリークしました。レポートを共有したテックメディア「The Verge」によると、この新SNSにはまだ正式名称はないものの、内部では「P92」または「バルセロナ」と呼ばれているそうです。
さらにテックメディア「The Verge」が共有した最新リークによれば、このアプリの正式名称は「Threads」になる可能性があるとのこと。
Instagramの次期Twitter対抗馬はこんな感じです。
今日の会議で、Metaの最高製品責任者であるChris Coxが「Twitterに対する我々の回答」と呼んだ、近日公開予定のアプリは、Instagramのアカウントシステムを使って、ユーザーの情報を自動的に入力する。このアプリの内部コードネームは「Project 92」であり、The Vergeも見た内部文書によれば、その公開名称は「Threads」になる可能性があります。
— 出典:The Verge
ベースはインスタグラムとなっており、ユーザーは従来アカウントの名前とパスワードでサインインできるとのこと。また、フォロワーやハンドルネームなども、インスタグラムから引き継がれるそうです。
ハバーマン氏が共有した画像では、インスタグラムの特徴を引き継ぎながらも、Twitterに似たテキストベースのUIを確認できます。
Based on a (somewhat blurry) example I got, Meta's new app looks a lot like Twitter.
So, could this take over all the Twitter screenshots we've been seeing on the Feed lately? Maybe.
It’s impossible to predict how audiences will respond but this could be an alternative. pic.twitter.com/xgQa1kUjCl
— Lia Haberman (@liahaberman) May 19, 2023
私が入手した(やや不鮮明な)例に基づくと、Meta の新しいアプリは Twitter によく似ています。では、これは最近フィードで見られるすべての Twitter スクリーンショットを引き継ぐのでしょうか?多分。視聴者がどのように反応するかを予測することは不可能ですが、これは代替手段になる可能性があります。
写真や動画のフィードの代わりに、アプリのホームには「テキストベース」の投稿がタイムラインとして表示されるようになっています。ユーザーはTwitterと同じように、これらの投稿に写真や動画、リンクを添付することができることが可能なようです。投稿に返信したり、スレッドを作成したりすることもできます。
Metaは、ユーザーがすでにインスタグラムでフォローしているアカウントをタップだけでフォローするオプションがあるため、クリエイターは簡単に新しいアプリにフォロワーを呼び込むことができるようになると予測しているとのこと。また、このプラットフォームにはモデレーション機能が搭載され、誰が自分に返信したり、自分のアカウントに言及したりできるかを設定するコントロールも可能になるとしています。
「The Verge」が新たにリークした画像では、「Threads」のより詳細なデザインが確認できます。これを見る限り、ほとんどインスタグラムのコメント欄をそのまま転用したようなデザインになるようです。
「Threads」は、分散型ソーシャルメディアプロトコルであるActivityPubと統合される予定とのこと。これにより、新しいアプリのユーザーは、「Mastodon」を含むActivityPubをサポートする他のアプリに自分のアカウントやフォロワーを持ち運ぶことができるようになります。
Metaが「Threads」でTwitterに対抗しようとしていることは明白です。社内会議では、Twitterを揶揄するような発言もあったとのこと。
コックス氏は、イーロン・マスク氏のTwitterを揶揄するような発言をし、会場から喝采を浴びた。「私たちは、クリエイターや公人から、正当に運営され、信頼できる配信プラットフォームを持つことに関心があると聞いている」と述べた。コックス氏は、アプリの目標は「安全性、使いやすさ、信頼性」であり、クリエイターが「オーディエンスを構築し、成長させるための安定した場所」を確保することであると述べました。
— 出典:The Verge
MetaのこのTwitter代替アプリが成功するかどうかは分かりませんが、同社は他のSNSを真似て成功してきた実績があります。また、Metaが持つ最大の強みは巨大なユーザーベース。現在、Twitterユーザーが約4億人なのに対し、インスタグラムのユーザー数は10億人を超えています。
すでにInstagramにはインフルエンサーも多く、彼らが新アプリの呼び水となることも考えられます。コックス氏は、すでにDJスライムなどのインフルエンサーがアプリの利用を約束しており、他にもオプラやダライ・ラマなどとも協議中であると語っています。
また、統計サイト「Statista」によれば、ボリューム層はどちらも18〜34歳と被っている点も興味深いところ。比較的ライトなユーザーにリーチがあることからも、Metaの新アプリがTwitter代替として成功する可能性は十分にあるといえそうです。