ルイジアナ州ニューオリンズの高校生が、ピタゴラスの定理の新たな解法を発見したと発表しました。この解法は、従来の解法とは異なり、三角法を用いて定理を証明したことで注目されています。
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高校生がピタゴラスの定理を証明する新たな方法を見つける
ニューオーリンズの高校生であるCカルセア・ルジーン・ジョンソンさんとネ・キヤ・ジャクソンさんは、アメリカ数学会の地域会議で新たな発見についてのプレゼンテーションを行いました。その内容は「三角法の正弦の法則を用いて、ピタゴラスの定理を証明する新たな方法を見つけた」というものです。
ピタゴラスの定理は、直角三角形の2つの短い辺の平方の和が、直角に対する第三辺(斜辺)の平方と等しいというもので、多くの幾何学の授業で出会う定理です。何世代にもわたり、数学者たちは、三角法に基づくピタゴラスの定理の証明は、そのアイデア自体でアイデアを検証しようとする論理的な誤謬である循環推論を構成すると主張してきました。
しかし2人は、三角法の正弦の法則を用いてピタゴラスの定理を証明する方法を見つけたとのこと。これは、循環推論に頼らずに証明する新たな方法です。
ニューオリンズの10代の若者たちのピタゴラスの証明は、説得力のある証拠を得ることができます。
ジョンソンとジャクソンは、3月18日にアトランタで開催された著名な大学からプレゼンターが集まるイベントでの講演の要旨で、定理の証明の最大のコレクションと考えられているエリシャ・ルーミスの『ピタゴラスの命題』という本が、「『三角法の基本公式はすべてピタゴラスの定理の真実に基づいているため、三角法の証明は存在しない』と平然と述べている」ことを指摘しました。
しかし、ジョンソンとジャクソンは、ピタゴラスの理論を証明するために、「ピタゴラスの三角形の恒等式sin2x+cos2x=1とは独立した」方法で、循環推論に頼らずに正弦の法則を用いる方法を発見したという。
— 出典:The Guardian
アメリカ数学会の事務局長であるキャサリン・ロバーツ博士によれば、ジョンソンとジャクソンの理論は、その妥当性を証明するための学術的な査読をまだ受けていないとのこと。
この解法は数学界を驚かせ、様々なところで議論されています。発表の様子は公開されていませんが、YouTubeチャンネル「MathTrain」は、2人のプレゼンテーションのスライドを見ながら、証明を再構築しました。
この動画を見たコネチカット大学のロサノ・ロブレド教授は「とても独創的だ」と延べ、「証明自体がとても美しく、とても洗練されている」と評価しています。ただしピタゴラスの定理については、三角法を使った方法で以前にも解かれていた可能性があるかもしれないそうです。
とはいえ、この2人が難問であるこの定理を新しい方法で解いたという事実は変わりません。ロブレド教授は「ティーンエイジャーが新しい数学について考え、本当に重要で素晴らしいものを考え出すのを見ると、とても嬉しくなります」と語っています。
ジャクソンさんは、大学で薬学か麻酔学を学ぶ予定とのこと。またジョンソンさんは、現在25の合格通知と約120万円の奨学金のオファーを受けるなどと引っ張りだこになっており、将来は環境エンジニアになりたいと話しています。