アメリカのメジャーリーグで2020年にサイ・ヤング賞(最優秀投手賞)を受賞した超大物として、鳴り物入りで横浜DeNAベイスターズに加入したトレバー・バウアー選手。5月3日には日本での初登板を果たした“最強助っ人”ですが、デビュー前からこの投手のセレブレーションを巡ってひと騒動が起きていました。しかしバウアー選手の責任ではない模様……事の顛末を振り返ります。
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目次
- 1. あるツイートをきっかけに波紋が広がる
- 1.1. 発端となったDeNA公式ツイート
- 1.2. 山﨑康晃投手が球団のツイートに苦言
- 1.3. 米国メディアが誤って報じる
- 1.4. DeNAが公式的に声明を発表
- 1.5. 騒動後、山﨑投手は公式Twitterで不仲を否定
- 2. それでもバウアー選手はデビュー戦で好投
- 3. 次のバウアー選手の登板は、5月9日の巨人戦
あるツイートをきっかけに波紋が広がる
3月にDeNAと1年契約を結び、今年日本のプロ野球に参戦しているバウアー選手。ロサンゼルス・ドジャースで大きな活躍をしたとあって「歴代最高助っ人」と言われ注目を集めています。しかし、来日後これまで三振を取るたびに披露してきた“刀セレブレーション”がきっかけで、波紋が広がっていました。
発端となったDeNA公式ツイート
発端となったのは、DeNA公式Twitterアカウントが5月1日に投稿した「奪三振(一部)にあわせて、皆さんと一緒に『#SWORDセレブレーション』!!」というツイートです。
そのツイートにはさらに「横浜スタジアムで一緒にSWORDセレブレーションをやりましょう」と英語でも記載され、刀を斜めに振り下ろすようなポーズを披露するバウアー選手の動画が公開されていました。
山﨑康晃投手が球団のツイートに苦言
ところが、これに対してDeNAの守護神である山﨑康晃投手が「公式が煽るな。あほちん。ノーリスペクト。もっと違うやり方がある」と苦言を呈したことで、様々な波紋が広がります。
まず山﨑投手のツイートには賛否両論が集まりました。ファンからは「球団の色んな人の立場もあるからTwitterじゃなくて内部で意見交換して欲しかったです」「言うならTwitterじゃなくて裏で球団と話して欲しかった」といった指摘も……。
これに対して山崎投手は翌2日に再びツイッターにて「確かにみんなの言う通り。今日球団の方とお話しします。お騒がせしました」と謝罪の意志を示しました。
米国メディアが誤って報じる
さらに、この事態をややこしくしたのが海外メディアでした。アメリカメディアに、山﨑投手のツイートがバウアー選手への批判と受け取られてしまったのです。母国アメリカで度々プライベートの問題を起こしていたバウアー選手のこととあって、「またもや、あのトラブルメーカーが何かしでかした」と報じられました。
山﨑選手は決してバウアー選手を批判したわけではなく、球団の煽り方に苦言を呈しただけで、バウアー選手のセレブレーションにもまったく悪気はなかったのですが、この2人の不仲さえ噂されるようになってしまいます。
DeNAが公式的に声明を発表
こうした騒動を受けてDeNAが5月3日、公式的に声明を発表する異例の事態となりました。DeNAが発表した声明は以下のとおりです。
「昨日の試合前に、バウアー選手のパフォーマンス(SWORDセレブレーション)にまつわる球場演出について、山﨑選手と話し合いを行いました。球団からは、純粋にファンと喜びを共有したい意図での演出・発信という認識を山﨑選手へ説明しました。
また、バウアー選手は日本文化に不適切なことはしたくないと思っており、球団とはパフォーマンスについても問題がないか、来日後、ファームでの登板前から話し合ってきました。その上で、球団もサポートし、ファンのみなさんに喜んでもらえる演出として考えてきました。
なお、山﨑選手の発信を一部海外メディアが表現の一部を切り取って誤解を招く発信をしたことについては、球団は非常に残念に思っています」
騒動後、山﨑投手は公式Twitterで不仲を否定
騒動の後、山﨑選手は公式Twitterにて、バウアー選手と肩を組む写真を投稿しながら以下のようにつづり、不仲を否定しています。
「僕の発信した内容が意図しない形で海外で受け取られ、僕が彼を悪く言うような捉え方をされてしまいました。
バウアーと話して、しっかり気持ちを伝える事が出来ました。
バウアーは一緒に優勝を目指す大切なチームメイトです」
それでもバウアー選手はデビュー戦で好投
この騒動を受けて、バウアー選手は広島東洋カープとのデビュー戦で刀セレブレーションは一度も見せませんでした。待ち望んでいたファンにとっては非常に残念だったでしょう。
それでもこの試合でバウアー選手は7回まで投げて9奪三振と、好投を見せます。シンシナティ・レッズ時代のチームメイトでもあるマット・デビッドソン選手に2回にソロホームランを浴びましたが、この1失点のみに抑え、見事に来日初勝利を挙げました。
次のバウアー選手の登板は、5月9日の巨人戦
一時は不穏な空気に包まれそうになったDeNAでしたが、それでもその後すぐさま嫌な雰囲気を払拭。現在19勝9敗と首位を堅持し、貯金を「10」としています。
また思わぬ騒動に巻き込まれましたバウアー選手も、デビュー戦で確かな実力を証明。さらなる活躍が期待されています。次のバウアー選手の登板は、5月9日の巨人戦の予定。この試合では刀セレブレーションが披露されるでしょうか。注目です。