4月22日、ヴィッセル神戸対横浜F・マリノスの一戦。この試合での横浜FM・角田選手に対するノーハンド判定が物議を醸しました。後半42分、神戸DF・初瀬選手のゴール前へのクロスボールが横浜FMのDF・角田選手の左腕を直撃。これがノーハンドの判定となりました。この判定に識者らの意見は分かれ難しい議論に。そもそもハンドの定義はどうなっているのか、そして識者からは実際にどのような意見があったのでしょうか。
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目次
試合は横浜FMに軍配 先制許すも逆転勝利
横浜FM 2点ビハインドから逆転勝利
4月22日、J1リーグ第9節。ヴィッセル神戸と横浜F・マリノスの試合。横浜FMが2点のビハインドから3点を奪い返し接戦を制しました。
試合が動いたのは前半18分。ヴィッセル神戸のDF・本田選手のロングボールをMF・汰木選手が押し込み先制!横浜FMとしてはDFとGKの連携ミスによる失点でした。さらに神戸は前半28分、先制を決めた汰木選手のクロスに大迫選手が合わせて追加点。2-0と点差を広げました。
しかし横浜FMも負けじと前半33分に得点。水沼選手のスルーパスを受けたロペス選手が冷静にゴールを決めました。勢いに乗った横浜FMは前半アディショナルタイムに渡辺選手の強烈なシュートで同点ゴール!前半から両者合わせて4ゴールと激しい展開となりました。
後半は両者譲らない攻防戦となり、得点はなかなか動かず。しかし82分、横浜FM・ロペス選手がマテウス選手のクロスに頭で合わせ逆転ゴール!試合は3-2で横浜FMに軍配が上がりました。
ノーハンド判定に物議!? 識者の意見分かれる
明らかに当たってる? 横浜FM・角田選手にノーハンド判定
この日の試合で話題となったのが、横浜FM・角田選手に対するノーハンドの判定。
問題となったシーンは2-2の同点で迎えた後半42分。神戸のDF・初瀬選手がサイドから縦方向にドリブルで突破し、センタリングを試みました。その際、横浜FM・角田選手の左腕にボールが直撃。明らかに手に当たったように見えましたが、これがノーハンドの判定に。また、VARの介入もありませんでした。
「ハンドでしょう」「ハンドと解釈するのは難しい」識者の意見分かれる
今回の判定に対して、識者の意見は様々でした。
スポーツチャンネル「DAZN」でゲスト出演した元日本代表DF伊野波雅彦氏は、「プレミアリーグやリーガ・エスパニョーラならハンドを取ると思う。腕を後ろに組んでいれば、まだありかなと思うが、手が体からちょっと離れているのが引っ掛かった。組んでいたところから、蹴る瞬間には外れている」とコメント。
また、元日本代表MF増田誓志氏は「ハンドでしょう。分かりやすく手に当たっています。故意ではないですけど、その後に後ろに手を組んでいたというアクションもしていますが、組んでいないし。」と指摘しました。
一方で、元国際審判員の家本政明氏は「現場のレフェリーとVARが下したように、ハンドの反則と解釈するのは厳しい。不自然に手を大きくしていると言えるのかどうかと考えた時に、体の使い方でたまたまそこに手があって、当たってもいいと思っているような位置にはない。距離の問題、ボールスピードもあり、そこにくることが予測できるかというと、トータルで考えてもハンドの反則が成立するという解釈は厳しい」と、今回の判定を支持しました。
ファンからも、「なんでハンドじゃないんだ!」「なぜVARなしなの?」「どっちともとれそう」など様々なコメントが見られました。
そもそもハンドの定義とは?
識者からも様々な意見が上がったワンシーンですが、そもそも「ハンド」の定義はどうなっているのか。
日本サッカー協会の競技規則によると、「ハンドの反則を判定するにあたり、腕の上限は、脇の下の最も奥の位置までのところ」とし、以下の行為が認められた際にハンドの判定となります。
・例えば手や腕をボールの方向に動かし、意図的に手や腕でボールに触れる。
・手や腕で体を不自然に大きくして、手や腕でボールに触れる。(以下略)
つまり、故意ではなく手の位置が不自然でなければハンドとは見なされないということです。
今回のプレーでは明らかにボールが手に当たっていましたが、不自然に手を広げたわけではなく、たまたまボールの位置に手があっただけ。そして故意とも見られないことからノーハンドの判定に至ったと考えられます。
今回の判定を支持した家本氏も「これがすべての国のリーグでハンドと解釈しないかと言えばそうではないだろうし、そう解釈する人も、そうでない人もいるシーン。客観的事実を主観的に判断するのでどうしても幅がある」と、今回の判定の難しさを語りました。
頻繁に起きる今回のような際どいプレー。VARが導入され、レフェリー側としては正確な判断を下しやすくはなりましたが、やはり現場のリアルな目線も重要。縦横無尽に動くボールと選手を追いかけ、広い視野を持ってフィールドを見るレフェリー陣には敬意を表したいですね!