最近の研究によって、人間は「孤独」になると身体的危害を及ぼすリスクがあると判明しました。人間は孤独になると身体にどのような影響が出るのでしょうか?
孤独と身体的危害の関係について海外メディア「sciencealert」が解説しています。
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人間は孤独になるとどうなるのか?
オーストリアのウィーン大学と英国のケンブリッジ大学の研究者は、人間に「8時間の孤独」を与える実験を行いました。
実験の結果「8時間の孤独」は「8時間食事を取らない」のと同じくらいエネルギーを消耗し、疲労を増大させることが分かりました。研究者は「研究では、社会的孤立と食物欠乏の間に著しい類似性がある」と述べています。
また、30人の女性ボランティアに対して「社会的接触をしない日」「食事をしない日」「社会的接触も食事もしない日」の3日間で、それぞれ8時間ずつの実験も行われました。そして参加者は、ストレス、気分、疲労についてフィードバックを行い、心拍数と唾液コルチゾール値(標準的なストレス指標)も測定されました。
実験の結果、孤立するとエネルギーレベルが低下することが分かりました。そして、孤独による影響を受けやすいタイプも判明しています。
エネルギーの低下は、一人暮らしの人や社交性が高い人に特に顕著に表れます。エネルギー低下は社会的接触の欠如に対する恒常的反応の一部である可能性があります。(恒常とは内部環境を一定の状態に保ちつづけようとする傾向のこと)
ウィーン大学の心理学者ジョルジア・シラーニ氏は「短期間の社会的孤立の後でもこの効果が見られるということは、長期的に孤立が続くとダメージが大きくなる可能性がある」と述べています。
ただ、一人で過ごすことが、特定の人にとって幸福の面で有益であることも分かっています。現状、「孤独」と「身体的危害」が直接関係しているというメカニズムは解明されていないため、今後、より大規模で多様な参加者を対象とした研究を行う必要があるとのことです。