Apple社が提供するオペレーティングシステム「macOS」の中に「ビットコイン」のホワイトペーパー(仕様書、論文のようなもの)が隠されていたことが話題となっているのは、先日の記事でお伝えした通りです。
» ビットコインの最重要情報〝ホワイトペーパー〟がApple「macOS」の〝隠しファイル〟内から発見される
※ この記事はテックのニュースや業界の話題を紹介するものであり、投資の勧誘やアドバイスではありません。暗号資産(仮想通貨)を売買する場合、対象の値動きにより利益を得るチャンスも損失を被るリスクもあります。居住地や恒久的施設を有する国や地域より、適応される法律が異なる場合がありますので、ご自身の状況をご確認ください。
この〝macOS&ビットコイン騒動〟については、Appleはまだ公式の見解を発表していません。しかし、AppleのCEO(最高経営責任者)であるティム・クック氏は「ニューヨークタイムズ」のインタビューでビットコイン投資やNFTについての見解を明らかにしています。
この記事ではクックCEOが語った内容、そして微妙な表情の変化やジェスチャーに注目し、Appleとビットコインの今後を分析していきます。
ビットコイン・NFT・ARなどについて話すティム・クックCEO
分析:インタビューを通じて、クックCEOが左下を見ることが多いのはおそらくそこにディスプレイか書類(カンペ)があるからでしょう。つまり、彼が左下を確認した後に話す内容は「言い間違いがあってはいけない、事前に用意された内容」ということになります。
インタビュー中盤で、インタビュアーから仮想通貨についての質問が出ました。
ーーーインタビュアー:仮想通貨(暗号資産)について、どうお考えですか? 「Apple Pay」などで利用できるようになる、といった可能性はありますか?
分析:この質問を受けた後、クックCEOはしっかりと左したの〝カンペ〟を確認し、少し間を置いてから話始めます。以下は事前にAppleが周到に用意した内容と考えてよいでしょう。
ティム・クックCEO:検討しているところですが、すぐに実現させる計画をもっているわけではありません。個人的に仮想通貨に投資したくないというわけではなく、人々が「Appleの株式を買うことで仮想通貨にも投資する」ということはないと思うからです。仮想通貨に投資したいなら、人々は直接投資できますからね。
分析:このクック氏の発言は、テスラがビットコインを大量購入したことがあり、テスラ株に投資することで「ビットコインに間接投資ができる」といわれていたことを念頭においたもののようです。
ティム・クックCEO:私たちの製品に仮想通貨の製品をすぐさま公式に提供するということは考えていません。ほかに取り組んでいることはありますし。
ーーーインタビュアー:「ほかに」とは、どんなことですか?
ティム・クックCEO:今日はお話しできません、ハハハ。
分析:この笑顔である。新製品やサービスについての質問はおそらく何万回も受けているクックCEO、かわしかたも手慣れたもの。
続いて出た質問がこちら。
ーーーインタビュアー:先ほど「個人的、投資しないわけではない」とおっしゃいましたが、あなたはビットコインやイーサリアムなどの暗号をお持ちですか? ビットコインやイーサリアムを使って何か試していますか?
ティム・クックCEO:はい、投資しています。分散ポートフォリオの一部として保有するのは合理的だと思います。もちろんこれは投資の助言ではありませんけれどもね。
ーーーインタビュアー:いつからごろから仮想通貨にご興味を持ちですか?
ティム・クックCEO:それなりに昔から。研究していましたし、興味深いと思いますね。
ーーーインタビュアー:そうでしたか。公の場所でお話しされたことはなかったのでは? ところで、あなたは「ビットコイン強気派」ですか?
ティム・クックCEO:なんとお答えしたらいいかわかりません(笑)。私自身に何かのレッテルを貼るつもりはありませんよ。ただ、個人的な意味で、仮想通貨に関心を寄せているのです。
分析:上の画像は「自分に強気派のレッテルを貼るつもりはない」と答えるクック氏です。ずいぶんとにこやかで、言葉とは裏腹に「強気派」とみられることに〝まんざらでもない〟という印象を受けます。
ーーーインタビュアー:NFTについては?
ティム・クックCEO:うーん、まぁ、そちらも興味深いですね、メインストリームに行くには時間がかかると思いますが……しかし、興味深いとは思います。
分析:「興味深い」とはいうものの、先ほどとはまったく表情がちがうクックCEO。モゴモゴとした感じで、二度も「興味深い」と繰り返す様子は、むしろ「NFTにはさほど興味がない(少なくともビットコインほど興味はない)」という印象を抱かせるものでした。
ARについて
インタビュアーからARについての質問が出ると、メガネに手が行くクックCEO。ARデバイス用の「リアリティOS(仮)」の発表が間近とみられるいま見返すと、なかなか面白いシーンです。
ティム・クックCEOは今後に関しては明言を避けましたが、個人的に投資していることを公言するほどですからビットコインをはじめとした仮想通貨に好意的であることは明らか。今後、もしどこかのタイミングで「Appleのビットコイン保有」や「ビットコイン/ライトニング支払いにApple Payが対応」といったニュースがあれば、仮想通貨全般の価格を押し上げることは間違いありません。
実際にどうなるかはクックCEOをはじめとする限られた関係者のみが知るところですが、もし、実現の可能性を信じるのであればいまこそビットコイン投資の仕込み時であると言えるでしょう。
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