YouTubeは動画プラットフォームですが、見方を変えればデータを実質無限に保存できるストレージでもあります。この仕組みを利用し、データを動画に変換してYouTubeに投稿するプログラムを、ソフトウェア開発者のDvorakDwarf氏が公開しています。
*Category:
YouTubeをデータ無制限のストレージ代わりにする試み
GoogleドライブやiCloudなどは5GBまでは無料で使えますが、それ以上保存するには有料プランを契約するか、ファイルを整理するしかありません。しかしYouTube上であれば、データ容量の多い動画を実質的に制限なく投稿することができます。
この仕組みをハックし、ファイルをQRコードのような白黒の画像データに変換し、動画化することでYouTubeを「無限ストレージ」として利用できるのではないか、というのが今回の試みです。
DvorakDwarf氏はデータをピクセルに変換し、動画で再生できるようにするプログラムを作成。RGBのピクセルを使ってより効率的にデータ変換するプログラムもありますが、YouTubeの圧縮システムは色のついたピクセルを徹底的に処理するため、白と黒のモノクロになっています。
実際にデータを動画化し、YouTube上にアップロードされたものがこちら。再生すると、白と黒のノイズのような動画が再生されます。あまり見つめると気分が悪くなる可能性があるため、ご注意ください。
このプログラムはGitHub上に公開されており、誰でも使用することが可能です。ただし開発者のDvorakDwarf氏は、YouTubeの利用規約に反する可能性があると警告しています。
他にも以前には、海外メディア「Hackaday」が、ポッドキャスト上にデータを変換した音声ファイルを投稿するという試みもありました。この試みでは、SpotifyやGoogle Podcastsに隠しメッセージを込めた音声データを投稿することに成功し、データに戻すことも可能だったそうです。
このようなプログラムを使えば、様々なプラットフォームを無制限のストレージとして利用できそうですが、実際にはリスクの高く実用性はありません。テックメディア「PC GAMER」は、このようなYouTube動画はアルゴリズムで簡単に見破ることが可能で、もしもアカウントを停止されれば全てのデータを失ってしまうと指摘しています。