世界最大のECサイトとして君臨するAmazonですが、一方でユーザーの満足度が減少傾向にあるという報告が登場しています。
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Amazon無名ブランドが増えた理由
経済誌「WSJ」が共有したレポートでは、最近の調査で同社について「とても満足している」と答えたAmazonのユーザー数は減少し、2022年は79%と計測されたとのこと。パンデミック中の2020年には最低の65%に達していたものの、10年前のピーク時の88%からは依然として減少傾向であること明らかになっています。
この理由としては、パンデミックによる配送の混乱だけではなく、検索結果の悪さや「低品質」な商品も挙げられています。これについて米メディア「nymag」は「Amazonのジャンク化」が進んでいると指摘しました。
インターフェースそのものがジャンク品だらけ。お客様が依存する様々なシステム(レビュー、検索結果、レコメンド)がジャンクに感じられる。これが、これからのモノの買い方を支配する、アメリカのEコマースの現状です。
Amazonで商品を検索すると、広告欄や上位に見慣れないブランド名が出てくることがよくあります。これらの商品の評価基準の1つは「星の数」ですが、その信ぴょう性も薄れてきています。
多くのサイトは、Googleからの検索トラフィックを集め、最終的にはAmazon自身からアフィリエイト報酬を得るために、Amazonのレビューを要約しているだけなのです
一部の第三者販売者は、古い出品物を新しい商品と交換し、レビューは残したまま、他のすべてを変えてしまうのだそうです。ある偽の16TBドライブの出品をざっと調べたところ、ラップトップの充電器、バスケットボールのバックパック、ステッカー、スクリーンプロテクター、マルディグラのビーズ、マウスパッドなどのレビューが5つ星で表示されていました。出品者は、安価な汎用品で良いレビューを集め、より高価な偽物を入れ替え、悪いレビューが積み重なったらそれを削除するのです。
このような状況になった理由の1つが、Amazonのビジネスモデルの変化です。5年以上前から、Amazonで販売される商品の大半は、Amazonが販売するのではなく、Amazonを通じてサードパーティーの販売者が販売するようになっています。これらのセラーは数百万人に上り、アマゾンのほぼすべてのカテゴリーで活動しています。
しかし、成功した販売者は、Amazonに商品を出品し、標準的な手数料を支払うだけではありません。Amazonに商品を出品し、通常の手数料やコミッションを支払うだけでなく、商品の倉庫保管や配送、Amazonプライム会員になるための費用も支払っています。
Amazonが「セラーサービス」と呼ぶこのような収入源は、アマゾンの収益の大部分を占めており、アマゾン・ウェブ・サービスよりも大きく、かなり収益性の高いものです。またセラーサービスは、自社のプラットフォームでブランド外の商品を販売させることで、自社ブランドを販売するよりも収益性が高くなる場合が多いことを意味します。
この厳しいAmazon上での競争で有利にたったのが、中国を拠点とするセラーです。Amazonは、中国の製造業者や販売業者が海外の顧客に直接販売できるようにし、プライム配送のためのインフラを提供しています。ある試算によると、2020年にはプラットフォーム上の全ビジネスのほぼ半分を占めていたとのこと。
これらの中国製品の全てが低品質であるわけではありません。むしろ、安くて高品質な「当たり」商品も数多く存在します。が、このような中国製品が「無名のブランド」を冠してAmazon検索上位に現れることで、ユーザー目線では良し悪しの分からない商品が増え、顧客満足度が下がったことは確か。また、最近では明らかな偽物商品の報告も増えており、ユーザーとしては商品選びが難しい状況が続いています。