iPhone「MagSafe充電」の致命的な弱点

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2020年にiPhone 12に初導入された「MagSafe」充電。マグネットで背面につけるだけで充電できる便利なこの新機能ですが、実はこのMagSafe充電には大きな弱点があります。



*Category:テクノロジー Technology *Source:Apple Explained,Xiaomi

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iPhone「MagSafe」充電が遅いワケ


MagSafe充電は、QIワイヤレス充電コイルと独自のマグネットを組み合わせたものです。メリットとしては、有線充電よりも接続が簡単で、ポートを痛めることもないという点が挙げられます。


しかしMagSafeは、有線充電に比べてどうしても時間がかかってしまうという弱点があります。例えば、温かい室内で20Wのアダプターを用いて、LightningケーブルとMagSafeを同時に使用した場合、どうなるでしょうか?

実は、MagSafe充電を使用する際は15Wに制限されます。さらに、オーバーヒートを起こすと7.5Wにまで低下するのです。「Apple Explained」の実験では、この電力低下はMagSafeを接続してからわずか数分後に起こることがわかりました。つまり、最初から非常に低い充電率となるのです。


これは、MagSafeが採用しているワイヤレス充電技術と関係があります。ワイヤレス充電はその仕様上、充電時にコイル部分が発熱を起こします。そのため、一部のワイヤレス充電器にはファンがついている場合もあるほどです。しかしMagSafe充電器にはそのような機能はないため、オーバーヒートを起こしてしまうのです。

Lightningケーブルと比較してみましょう。Lightningケーブルは発熱が少なく、iPhoneが0%の状態から50%まで、わずか30分で充電することができます。しかしMagSafe充電の場合は、最低でも60分はかかってしまいます。


さらに悪いのは、50%から100%までの充電です。この間、LightningケーブルとMagSafeの充電速度は共に低下していきますが、Lightningケーブルが100%に達するまで1時間しかかからないのに対し、MagSafeは周囲の温度によっては2時間以上かかると言われています。

さらに、iPhoneが熱くなりすぎると、バッテリーの損傷を防ぐために、MagSafeは80%を超えて充電しないこともあります。XiaomiやOppoといった競合メーカーでは50Wを超えるワイヤレス充電もある一方で、これほど充電速度が遅いのは致命的。AppleはMagSafeケーブルの販売ページで、「最大」15Wの充電が可能だとしていますが、この速度の実現にすら多くの障壁があるようです。

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