ロック画面を長押しすると設定された写真が動く「ライブ壁紙」。この機能は5年前のiOS 11で追加され、Apple公式のライブ壁紙もありました。
リリース当時は人気となったこの機能ですが、iOS 16で、Appleは静かにライブ壁紙を削除しています。なぜAppleはライブ壁紙を削除したのでしょうか?
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なぜiPhoneから「ライブ壁紙」は消えたのか
その答えは、壁紙がロック画面上で動くためのトリガーとなるアクションに関係しています。ロック画面でライブ壁紙のアニメーションを見るには、ユーザーはディスプレイを長押しする必要がありました。
しかし、iPhoneにカスタマイズ可能なロック画面を導入しようとしたとき、問題が起こりました。Apple Watchでは、カスタマイズ可能なロック画面の起動は「ディスプレイを長押し」でした。これが、ライブ壁紙のアクションと被ってしまうのです。
ロック画面のカスタマイズ機能をiPhoneに導入するには、ロック画面を起動するための新しいジェスチャーを導入するか、もしくはライブ壁紙機能を完全に削除して、長押しでカスタムロック画面が表示されるようにするかのどちらかが必要になります。
結果Appleは、ライブ壁紙の削除に至りました。その背景は豊富な機能を付けるよりもシームレスな体験を提供する方が優先度が高いと考えたのでしょう。
iPhoneとApple Watchのユーザー体験を統一し、それぞれのデバイスをより直感的に使用できるようにしました。また独自の社内データによって、多くの人がライブ壁紙を使っておらず、この機能を削除してもそれほど問題にはならないと推測したと考えられます。
以前にもiPhone 6Sの目玉機能であった3D Touchが、その機能を使う人がほとんどいなかったため4年後に廃止されています。
ライブ壁紙はもう廃止されましたが、似たような機能に視差効果で動くように見える壁紙や、起動した後に短いアニメーションを再生する天気の壁紙などがあります。結局のところ、ユーザーにとってもライブ壁紙機能は必ずしも価値があるものではないかもしれません。