Appleとサムスンはスマートフォン市場でライバル関係にあります。しかし、iPhoneには「サムスン製の部品」が大量に使用されています。なぜ、Appleはライバルであるサムスン製の部品を使い続けているのでしょうか?その疑問について、Appleに詳しいYouTubeチャンネル「Apple Explained」が解説しています。
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Appleがサムスン製の部品を使い続ける理由とは?
初期のMacintoshを製造する際、Appleは自社でメモリーチップやプロセッサー、ディスプレイを作っていませんでした。その代わりに、サードパーティーのメーカーに設計を依頼し、そのメーカーのノウハウや既存の組み立てインフラを活用していました。Appleのようにハードウェアの設計と販売を行い、製造を外部に委託する企業をファブレスと呼びます。
このようなAppleの製造方式はiPhoneでも同様です。iPhoneはAppleが設計していますが、製造はFoxconnが行っています。
また、このアプローチは個々の部品にも及んでいます。例えば、A16チップはAppleがカスタム設計したものですが、製造はTSMCが行っています。
サムスンは長年、Apple、ソニー、ノキアといった企業にリチウムイオン電池、半導体、イメージセンサー、カメラモジュール、ディスプレイを提供し、製造メーカーとして活躍していました。
その後、サムスンは「自分たちでプレミアム携帯電話を作る」という新たなビジネス戦略を打ち出し、Apple、ソニー、ノキアと直接競合するようになります。
AppleがiPhoneを発表した際、サムスンはiPhoneのあらゆる面をコピーして独自のスマートフォンを製造しました。このため、Appleから特許侵害の訴訟を起こされ、最終的にはAppleが勝訴しています。
ここでAppleとサムスンの関係は悪くなると思われましたが、そうはなりませんでした。なぜなら、両社はお互いを必要としていたからです。
Appleはディスプレイの調達先が少なく、LGやBOEから調達して多角化を図ろうとしましたが、それらの会社にはサムスンのような拡張性や一貫性がなかったのです。そのため、現在でもiPhone 14に搭載されているディスプレイパネルの70%以上がサムスン製です。
そして、サムスンもAppleの部品を作り続けます。その理由は、サムスンにとってAppleが最大の顧客だからです。もし、Appleとの取引が無くなってしまったらサムスンの収益は大幅に減ってしまうでしょう。
このようにAppleとサムスンは、お互いを嫌っているかもしれませんが、ビジネス上の関係を終わらせることは自分たちを傷つけることにしかならないのです。