Appleの共同創業者であるスティーブ・ウォズニアック氏が、海外メディア「CNBC」のイベント「Squawk Box」で、チャットAIについて自分の考えを述べています。
*Category:
» 関連:10万円超え案件だらけ「ChatGPT」「DALL·E 2」などのAIを使ってだれでも稼げる「Fiverr」がバブル状態!
スティーブ・ウォズニアック氏が指摘するAIの根本的問題
ウォズニアック氏は、脳を模倣するような技術には普段から嫌悪感を抱いているものの、話題となっているチャットAI「ChatGPT」については「かなり印象的」で「人間にとって有用」だと述べています。
しかし賞賛の後には懐疑的な意見も続けました。彼はこれらのAIについて「恐ろしい間違いを犯すことがある」と指摘しています。
困ったことに、それ(AI)は私たちのために良いことをしてくれるのですが、人間らしさとは何かを知らないために、恐ろしい間違いを犯すことがあるのです。
ウォズニアック氏は、同様の懸念を持つ技術開発として、自動運転車も挙げています。彼いわく「人工知能は現在のところ人間のドライバーに取って代わることはできない」とのこと。理由としては「人間を知っているからこそ、自分が車を運転している時に、他の車が今何をしようとしているのかが分かるのだ」としています。
ウォズニアック氏の警告がどこまで正しいかは分かりませんが、「AIが間違いを犯す」ことは事実です。実際、Googleが開発しているチャットAI「Bard」は、広告のデモで間違った回答をし、同社の株価は大幅に下落しました。
また先日には、チャットAIを搭載したマイクロソフトの新しい検索エンジン「Bing」も、発表の翌日にプロンプト・インジェクション攻撃によって「秘密の設定」をバラしてしまっています。
大規模言語モデルがどのように機能しているのかは、いまだに謎の多い部分です。開発者がAIに「人間のような倫理観」をもたせることに苦戦しているという意味では、ウォズニアック氏の警告は正しいと言えるでしょう。。
しかしウォズニアック氏は「ChatGPT」の技術は、プログラム言語を説明したり、履歴書の大枠を構成するなど、「人間らしさ」が必要ない分野では確実に人間の役に立てる、と語っています。付き合い方をうまくすれば、AIは非常に便利なものとなるはずです。