「ChatGPT」などをリリースしたOpenAIのCEO、サム・アルトマン氏が、StrictlyVCのコニー・ロワゾス氏のインタビューに答えています。
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AIの進化がもたらす最悪の未来
「AIの未来において、最高のシナリオと最悪のシナリオは何だと思いますか?」という質問に対し、サム・アルトマン氏は以下のように語っています。
AIがもたらす「最高のシナリオ」
アルトマン氏は、AIがもたらす最高のシナリオは「想像もつかないほど素晴らしいものになる」といいます。同氏が言うのは「信じられないような豊かさをもたらし、解決困難だった問題を解決し、現実のあらゆる側面を改善し、私たち全員が最高の人生を送れる」ような究極のAIの完成です。
アルトマン氏は「良いケースというのは、あまりにも信じられないほど良い」ものだとしています。すでにAIは様々な分野で役立っていますが、その利益が最大化すると考えれば、確かに想像もつかないようなものになりそうです。
AIの分かりやすい活用例の1つとしては「自動運転」があげられますが、もしもレベル5の完璧な自動運転技術が完成すれば、事故がなくなるだけではなく、輸送分野にも大きな変革をおこすはずです。このような変革がすべての分野で起こると考えると、アルトマン氏が「想像もつかない」という意味がよくわかります。
AIが引き起こす「最悪のシナリオ」
反対に、アルトマン氏は最悪のシナリオについて「我々全員が〝死ぬ〟ようなものだ」と述べ、「短期的には、誤用による事故の方が心配だ」と警告しました。
ChatGPTを始めとした多くのAIは、詐欺やサイバー攻撃、フェイクニュースの拡散など、多くの分野で悪用される可能性があります。人間によって「AIが創り出すもの」の制御が効かなくなれば、同氏がいうような最悪なシナリオも十分ありえるでしょう。
OpenAI設立時に多額を出資したイーロン・マスク氏も、AIの未来については危機感を抱いており、ターミネーターのような「恐ろしい結末」を予言したりもしています。AIに関わりが深い人物ほど「AIの危険性」を語るというのは興味深い傾向です。
アルトマン氏はインタビューを通して、AI技術を徐々に社会に導入していくことが最も責任ある方法であり、OpenAIは安全かつ責任ある方法でそれを続けていくと主張しています。AI競争が激化しつつある現状、2023年は全人類にとって「AIとどのように付き合うべきか」ということが大きなテーマとなりそうです。