Googleは2月8日、イベント「Google presents : Live from Paris」を開催することを発表しました。突如として開催が決定したこのイベントでは、同社が「ChatGPT」に対抗するためのAI製品が発表されると予想されています。
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Google最強AI「LaMDA」チャットボットがまもなく登場する
Googleは大規模言語モデル「LaMDA」や画像生成AI「Imagen」といったAI技術を数多く持っているにも関わらず、そのほとんどを公開せず、ブログ記事と研究論文で語るにとどめてきました。しかし、OpenAIが「DALL-E」や「ChatGPT」をリリースして話題となっている今、GoogleはこれまでになくAI製品のリリースを急いでいます。
今年初め、同社は「ChatGPT」の急成長に対して、会社の存続に関わる規模の緊急事態「コードレッド」を宣言し、引退していた共同創業者のラリー・ペイジとサーゲイ・ブリンを引きずり出してまでAI開発に乗り出しました。
Googleは毎年5月に開発者向けイベント「Google I/O」を開催するのが恒例であり、今回のイベントは明らかに「緊急」としか言いようのないものです。米大手テックメディア「The Verge」に届いた招待状では、このイベントは「人々が情報を検索、探索、操作する方法を再構築するためにAIの力を使い、必要なものを見つけることをこれまで以上に自然かつ直感的にする」ことを中心に展開されるとされています。
そしてこのタイミングは、マイクロソフトが「ChatGPT」を同社の検索エンジン「Bing」に統合しようとしているという噂が出回っている最中でした。これを考えると、このイベントでは「ChatGPT」の対抗馬となるチャットAIが、何らかの形で同社の検索サービスに統合されると考えるのが妥当です。
これはおそらく、米メディア「CNBC」がレポートしたGoogleのチャットAI「Apprentice Bard(見習い吟遊詩人)」でしょう。これはGoogleの大規模言語モデル「LaMDA」を応用したもので、「ChatGPT」と同様に、人々が「質問をして詳細な回答を受け取る」ことを可能にするものだとされています。
このレポートでは、Googleが実験している可能性のあるチャットAIの方向性がいくつも明かされています。例えば「質問と回答の形式を使用できる代替検索ページ」や、Googleホームページの「メイン検索バーの真下に置かれた質問プロンプト」「検索バーの真下に灰色の泡を表示して、通常の検索結果よりも人間らしい応答を提供する」結果ページなどです。
対するマイクロソフトのChatGPT搭載「Bing」も画面がリークされており、「最新情報を出せるChatGPT」の登場として期待感は高まっています。 しかしGoogleが今回出すAIの中身は急造のものではなく、Googleが何年もかけて開発してきた最強AI「LaMDA」です。「CNBC」が公開したレポートでは、LaMDAは論理問題の正確性などで「ChatGPTを超えている」といえる結果も出ていました。
Googleが「AIの精度」「検索エンジンの完成度」「登場のはやさ」で勝れば、もともとシェアの低いマイクロソフト「Bing」に勝ち目はありません。2月8日のGoogleイベントの発表内容次第では、昨年から続く未曾有の「ChatGPTブーム」も一瞬で終わってしまうかもしれないのです。