日本の衰退は不可避であるという事実は人口減少と高齢化が不可逆的に進行する社会で「付加価値の高い産業が国内で育たない」「デジタル化が進まず生産性が低い」といった状況が30年以上続いていることから明らかです。
政財界だけでなく、教育現場やスポーツ、芸能の世界まであらゆる場所で〝老害〟がはびこり、若手はそれに逆らうどころか〝忖度〟するというのが今の日本ですから絶望的と言わざるをえません。
日本の衰退は構造的な問題です。誰が首相になっても、どの党が政権をとっても、魔法のように状況が改善することはありません。まして、あなたががんばったところで国の行く末を変えることなどできるはずがありません。
幻想を捨てて、衰退に向かう国で、消耗するのはやめましょう。
賃金崩壊、日本で搾取されるのは嫌
NHK『クローズアップ現代』の報道によれば「日本から海外へ、出稼ぎに行く若者」が増加しているそうです。理由は「同じ仕事でも高い賃金がもらえるから」です。
この番組で紹介されていた、海外へ出稼ぎに行った人たちの成功談は以下の通り。
オーストラリアの農場で働く男性は1日6時間の作業で月収50万円。介護施設で働く女性はアルバイトを掛け持ちして9か月で270万円貯金。
“安いニッポンから海外出稼ぎへ” ~稼げる国を目指す若者たち~
しかし、これは物事の片面でしかありません。
海外への出稼ぎはキツい
「米国などの方が日本より賃金が高い」は事実ですが、同時に米国などの高賃金の国はほぼ例外なく物価が高いのです。
それも、凄まじく高いです。
ここ数年の筆者の経験で言っても「マイアミでしょぼいハンバーガーを食べたら2,000円」「ロサンゼルスで日本の味が恋しくなって、怪しい海鮮丼を食べたら3000円」といった具合です。決して贅沢をしたわけでなく、むしろなんとか食費を抑えようとして安めのお店に入ってこの金額です。もちろん、こうした個人的な体験のみならず、CPI(消費者物価指数)などの指標を見ても明らかです。
仮に「出稼ぎで給料が倍になっても、生活費が3倍になれば、より貧しくなるだけ」という厳しい状況が待ち構えています。
ルームシェアの狭い部屋で暮らし、異国の食材で自炊をして、公共交通機関で移動すれば節約はできるかもしれません。しかし、米国でこれをやろうとするととてつもなく不便で(たぶん不快)です。バスや地下鉄の車内や駅・停留所には薬物依存(いわゆる〝ラリった〟状態)の人が高い確率でいるし、日本人やアジア人が憎悪犯罪の標的にされたという報道もあります。
さらに言えば、米国には世界中から移民が押し寄せており、特にブルーカラーや低スキルの仕事をしようとした場合は中南米系の移民と競合することになります。こうした中では日本人は「マイノリティーの中のマイノリティー」ですから、厳しい立場になることは明らか。アメリカでブルーカラーかそれに近い職種で働く場合、日本以上にキツ環境になることを覚悟しなければなりません。
〝海外へ出稼ぎ〟より賢い働きかた
ここまでで「日本は給料が安い」「米国などの高賃金国は物価も高い」という2つの問題が明らかになりました。加えて、考慮しなければならないのは「日本人とって、日本は最高に快適」ということです(日本人以外にとっても快適だという説すらあります)。
BBCニュースが掲載した東京特派員が書いたという記事は日本が諸外国と比較した場合に治安が良くインフラが整っていることを称えています。
平和で、豊かで、平均寿命は世界最長。殺人事件の発生率は世界最低。政治的対立は少なく、パスポートは強力で、新幹線という世界最高の素晴らしい高速鉄道網を持っている。
一方で、「過去にとらわれている」と批判する部分には「年寄りがまだ権力を握っている
」と痛烈に批判しています。
詳細は元記事をお読みいただければと思いますが、BBCの記事はなかなかフェアな見立てだと思います。私は東京で育ち、関西や九州、米国に住み、世界50カ国以上を取材や旅行で訪れてきましたが、その経験から言っても日本ほど公衆衛生の水準が高くインフラが整っている国は数えるほどしかありません。
スイスやリヒテンシュタイン、シンガポールは「日本より快適かも?」と思う面ががありましたが、面積や人口規模で言えば日本よりはるかに小さい国です。なお、米国はシリコンバレー(サンノゼ周辺)やポートランドなどの〝イケてる〟とされる場所ですら街の汚れ具合や体感治安は日本よりはるかに悪く、公共交通機関での移動は成人男性でも身の危険を感じるような状況でした。
日本に住み、米国水準の給与・報酬をもらうのがベスト
こうしてみると「日本に住みながら、米国などの高賃金国のような賃金をもらう」というのがベストであることは間違いありません。日本は物価が安く、諸外国に比べて安全で清潔です。「日本住み、良い給料がもらえれば最高」というのが結論と言わざるをえません。
世界的にリモートワークが普及したいま、日本から副業やフリーランスの仕事として海外のクライアントと働くことは十分可能、それどころかカンタンです。必要なのはスマホかPC、そしてちょっとの工夫だけです。
◆ 英語あまりできなくても無料ツールでなんとかなる
翻訳などの仕事をする場合を除いて、一般的なリモートワークに高度な英会話(リスニング・スピーキング)は必要ありません。仕事のやりとりのほとんどはメールかチャットで行われるため、以下に挙げるような無料ツールを使えば仕事に必要なコミュニケーションは成立します。
◆ 仕事を受注するためのプラットフォーム
米国などの企業からのの案件はインターネットを通じて仕事を発注したり、受注したりできる「Fiverr(ファイバー)」などのプラットフォームを利用して受注できます。
Fiverr(ファイバー)
https://fiverr.com/
「Fiverr」は2010年にスタートし、すでに10年を超える歴史があり、ニューヨーク証券取引所に上場している大手。ロゴやイラストのデザイン、動画編集、ナレーション吹き込み、ライティング、コーディングなど、オンラインで完結する仕事の受発注を結ぶプラットフォームとして、米国やヨーロッパを中心にフリーランサーやノマドワーカーから絶大な指示を得ています。ユーザーは無料でアカウントをつくりプロフィールを掲載して、世界中のクライアントから仕事を受けられるようになります。
リモートワークで〝稼げる〟と言われている仕事ジャンルの筆頭は〝ウェブデザイン〟で、これにはコーポレートサイトやブログ、ウェブアプリ、ショッピングサイトの構築などが含まれます。また、この業務を1人で全て行なう必要はなく、プロジェクトに必要な仕事の一部だけを引き受けることも可能です。
ウェブデザインの他にも、ロゴやイラストなどのグラフィックデザイン、SEOライティング、ナレーション(ボイスオーバー)、動画編集などが「Fiverr」では人気です。動画編集なども近年の動画マーケティングの盛り上がりを反映し、稼ぎ頭の職種として需要が急増しているそう。また、このような専門スキルが必要な案件以外にも〝データ入力〟といった作業系のお仕事も存在しています。
「Fiverr」でいくら稼げる?
「Fiverr」に掲載されている実際のGig(仕事)をもとに、いったいどれほど稼ぐことができるのかを見ていくことにしましょう(※ 以下では記事作成時点の為替レートである「1ドル130円」で日本円に換算しています。)。
ウェブデザイン:1案件65万円
ウェブデザインのGigは3,000ドル〜5,000ドル(39万円〜65万円)で掲載されています。プロジェクトあたりの単価なので、時給に換算することは難しいですが、仮に200時間かかる仕事だったとしても時給は3,250円になる計算です。
動画編集:1案件65万円
動画編集の仕事も3,000ドル〜5,000ドル(39万円〜65万円)で掲載されています。ドキュメンタリー制作などの案件でない限り、動画の編集で100時間を超えることはないと思いますので、時給に換算すれば6,500円です。
もちろん、全てのユーザーが提示した額面通りの金額で受注しているわけではありませんが、金額の参考にはなるはず。日本でアルバイトや副業をした場合の金額と比べると、圧倒的に稼げそうです。このように、オンラインプラットフォームを使えば、日本にいながらにして〝米国人なみの賃金〟で働くことは十分に可能です。
「Fiverr」でお金を稼ぐための難関は〝最初の案件を獲得する〟ことです。1つめのGig(仕事)を受注し、高評価が受けられれば、2つ目、3つ目の仕事を受注できる可能性はグッと高まります。
そこで、おすすめは「最初の仕事」を友人や家族、既存の取引先などに発注してもらうことです。もちろん、実際に仕事をしない「空発注」は問題がありますが、本当に仕事をするのであれば発注者が友人や家族でも問題はありません。例えば「バズるツイートのテキストアイディアをつくります。5投稿ぶんのテキスト10ドル(I will make viral tweet ideas for you. 5 tweet worth of text for USD10.)」といった感じの案件でOK。
スマホやPCが使える人からしたら「これだけ?」と思うかもしれませんが、知らない人からすれば十分にありがたいのです。手始めに「シンプルな案件を友人、知人から発注してもらい、ちゃんと仕事をして星5評価をしてもらう」ところから始めるのがおすすめです。
友だち知り合いにも以下のリンク先から「Fiverr」に登録してもらい、最初の案件を受注して「星5評価」をもらいましょう。
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近年は翻訳ソフトや英文作成補助サービスの進化も著しく、英語力に自信がなくても問題なく仕事がこなせるようになってきているので、こうしたちょっとの手間や工夫を惜しんで日本の安い時給で働き続けるのは損です。
フリーランスの方や副業ができる方は海外に出稼ぎに出なくても、日本から〝世界標準〟の給与、賃金で働くことは可能なので、ぜひ、チャレンジしてみてください。
また、「いきなり本番で仕事を受けるのは不安だ」という方はオンラインコースを使って〝ウェブデザイン〟や〝動画編集〟などを学べるオンライン・コースがおすすめです。英語に慣れつつ、仕事に使うスキルも身につけられるという意味では「留学以上にお得」と言えるかもしれません。以下のリンク先から登録すれば「1カ月無料」なので、気になった方はチェックしてみてください。
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