「Amazon」で購入した9万円のグラボが偽物だったにもかかわらず、返金対応を断られるという事態が発生しました。なぜ、Amazonは返金対応を拒んだのでしょうか?また、偽物が届いてしまった際には、どのように対応したらいいのでしょうか?トラブルの詳細と対策について、海外メディア「cbc」が解説しています。
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Amazonで発生した「返金トラブル」の詳細とは?
マシュー・レゴー君の両親は、Amazonで彼に9万円のグラボを購入してあげました。ところが、レゴー君の手元に届いたグラボはプラスチックの筐体がくり抜かれ、重さを出すためにパテのようなもので埋め尽くされていたのです。
この商品が明らかな偽物だということは誰にでも分かります。そこで、レゴー君の父親はAmazonの返品方法に従い届いた偽物を送り返し、返金を求めました。
すると、Amazonから「正しい商品が返送されるまで返金はできない」と返事がありました。Amazonは、レゴー君の父親が本物の製品を偽物にすり替えて返品しようとしていると思ったのでしょう。また、Amazonの担当者は「他の従業員を守るために、返品された偽物は捨てられた」とも述べたようです。つまり、Amazonは偽物の証拠を破棄してしまったということです。
Amazonは「衛生上または製品の安全上の理由から、すべての返品商品が合法的に再販または寄贈できるわけではありません。そのような場合、可能な限り製品をリサイクルします」 と述べています。
マーケティングの専門家であるマーク・ゴードン氏は、返品された商品が処分されたと顧客に伝えることは、Amazonにとって「会話を終わらせる」素晴らしい方法だと述べています。ゴードン氏によると、Amazonは顧客からの苦情や問い合わせ、問題にいちいち対応している暇はなく、早く他の業務に移りたいと考えているとのことです。
ただ、レゴー君の父親は諦めることなく「完全な偽物」を受け取って返したと繰り返し説明し、それを証明する写真も提出しました。しかし、その後もAmazonはなかなか非を認めませんでした。ただ、この出来事が公になるとAmazonはグラボ代の返金と、事件解決に5カ月近くかかったことを謝罪しました。
Amazonの返品トラブルは他にもあります。ジャスティン・タバートさんは、約9万円でコンピュータ用のRAMを購入しました。しかし、届いた商品はパッケージが開封され、注文品の半分が無くなっていたそうです。それを返品したところ、Amazonから「部品が足りない」というクレームが入りました。結局、この問題はまだ解決していないそうです。
その他にも、アラン・パパニックさんは、約4万円のシチズン製腕時計を注文しました。しかし、黒い文字盤に黒い針を読むのは難しく、彼はそれを返品しました。すると、Amazonは「パパニックさんが古いモデルの時計を返送した」と指摘しました。そして、返送された時計は処分したと伝えたのです。その上で、返金をするなら正しい商品を返品するよう求めました。
そこでパパニックさんはAmazonに「もし私が詐欺をしていたのなら、その商品を送り返せばいい。勝手に処分するなんておかしい」と反論しました。また、約130万円で訴えるとも言ったそうです。その結果、翌日には全額返金されたそうです。
なおゴードン氏は、ネットで注文した商品が届いたら「開封動画」を作るべきだと述べています。全ての買い物では難しいかもしれませんが、高額商品では証拠を残すためにも行ったほうがよいかもしれません。