AMDを苦しめるインテルの自爆攻撃

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世界的な半導体不足が一転し、余剰在庫に苦しめられるPCチップ市場ですが、そんな中でインテルが「自滅モード」に入っていると、半導体業界のアナリストが指摘しています。

*Category:テクノロジー Technology *Source:wccftech(1) ,(2) ,MarketWatch

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半導体「過剰供給」をやめないインテル


今月末に予定されているAMDとインテルの決算が、決して楽観視できるものではないことは確かです。半導体業界は2022年、歴史的な不況に直面しました。インフレの高まりとパンデミックによる需要の歪みにより、企業は過剰な注文をしたにも関わらず、「想定の需要が実現しなかった」という事態となったのです。

テック系メディア「wccftech」は、これによりインテル、AMD、NVIDIAの3社は大幅な売上減を記録し、損益計算書に大きな打撃を受けたと指摘しています。世界最大の半導体ファウンドリTSMCの幹部も、2022年の年初に受け取った需要予測と実現した受注が大きく異なり、使用量以上の生産能力を計上することになったと述べたとのこと。


こうした状況を踏まえ、金融会社Bernsteinは、AMDの目標株価を16%近く引き下げました。同社アナリストのステイシー・ラスゴン氏は、特にインテルに対して辛辣なコメントをしています。同氏によれば、インテルは小売店が過剰在庫を抱えていることを知っていても、意図的にPC製品を市場に溢れさせようとしているそうです。

インテルは、価格と生産能力の両方を戦略的な武器として使い、業界全体が壊れつつある中で、過剰供給を続けているのです。もちろん、これはインテルにとっても痛手ですが、彼らの経済はすでに急降下しているので、おそらくもうそれほど気にしていないでしょう。

経済メディア「MarketWatch」によれば、同氏はこれについて「インテルは、チャネルが部品を保持するつもりなら、それは彼ら(インテル)の部品である方がよいかもしれないと判断した」との見解を示しているとのこと。

過剰供給が続けば、インテルはもちろん、競合製品を出しているAMDにも少なからず悪い影響を及ぼします。供給量を増やし、自らもダメージ負いながらも競合を苦しめる様はさながら〝自爆攻撃〟のようです。

調査会社Keybancによると、インテル、AMD、NVIDIAの半導体3社のうち、GPUを主としているNVIDIAだけが収益に安定感が出るかもしれないとのこと。ただしKeybancはAMDについてもより楽観的で、同社が今年、データセンター分野でインテルからより多くのシェアを奪い、年末までに市場の3分の1を支配することになるかもしれないと考えているようです。

なお、余剰在庫の問題により、新製品の消化に苦慮しているNVIDIAやAMDですが、「wccftech」によれば、これらの問題の一部を緩和するために各社はリベートを提供し始めているとのことです。

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