iPhoneはスマートフォンの中でも非常にタフな部類ですが、極端に寒い環境での使用は推奨されていません。Appleの公式サイトでは、iPhoneは「0°〜35°Cの場所」で使うよう指定されています。
しかし、日本にこの冬一番の寒波が来ている今、外が氷点下になっている場所も多くあります。実際のところ、低温環境でiPhoneは壊れてしまうのでしょうか?これについて、カナダ在住YouTuberのアーロン・ホー氏が実験を行っています。
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-20°Cの野外でiPhoneを使用するとどうなるのか?
ホー氏が実験に使ったのは最新モデル「iPhone 14」。Apple公式サイトでは、動作時環境温度は0°〜35°C、保管時の温度は-20°〜45°Cとなっています。
最初に行われた実験は起動テスト。室温では、3回の計測の平均で約13秒かかり、0°Cで14秒、-10°Cで13.5秒、-20°Cで14秒かかったとのこと。低温環境ではやや起動が遅くなるものの、そこまで大きな影響は及ぼさないようです。
ロックスクリーンからのカメラの起動テストでも大きな差はなかったものの、ビデオの処理テストでは大きな違いが生じました。
iMovieでフィルターをかけた動画のエクスポート時間を計測したところ、0°Cでは60秒、-10°Cでは150秒、-20°Cでは194秒という結果に。0°C以下の環境では、iPhoneの処理性能が制限されるようです。
ただし、-20°Cの環境でさらに何度もエクスポートを繰り返したところ、3回目からは大幅に改善されました。これはiPhoneのビデオ処理による発熱で、本体の温度が上がったことが影響しているとホー氏は指摘しています。
次に、電力消費の激しいスローモーション撮影をフラッシュオンの状態でバッテリー駆動時間のテストを実施。結果は、室温で78分かかり、0°Cで60分、-10°Cで52分、-20°Cで57分でした。ただしホー氏によれば、これもiPhoneの自己発熱で影響が少なくなっていたようです。
なお、ビデオのエクスポートのテストでは、室温では一回につき約1%のバッテリー残量の減少だったのに対し、-20°Cの環境では一回に5〜7%減少していたとのこと。多かれ少なかれ、低温環境はバッテリー駆動時間へ影響すると見られます。
そして最も興味深い検証結果が「氷点下では充電が上手く機能しない」という点。ホー氏によれば、0°Cより上、もしくはそれに近い温度でも充電は機能するものの、それより下では充電ができなかったそうです。これはワイヤレス充電でも同じとのこと。
外で1時間半放置しても、バッテリー残量はたった4%となっていました。充電するには温かい場所が必要なため、事実上「氷点下でiPhoneが使えなくなるのは時間の問題」といっていいでしょう。
結論として、日本の寒さでiPhoneが壊れることはまずありませんが、氷点下の場所に放置したり、使用したりすることはあまりオススメできません。特にiPhoneを充電する場合は、最低でも0°C以上の場所で充電したほうが良いでしょう。