AMDはCES 2023にて、最上位のモバイル向けチップ「Ryzen 7045」「Ryzen 7040」シリーズを発表しました。発表には同社CEOのリサ・スー氏が登壇しています。
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M1 Proを超えるAMD「Ryzen 7040」シリーズの驚異的性能
AMDは、新たにRyzen 7045「Dragon Range」とRyzen 7040「Phoenix」CPUの2シリーズを発表しました。現在明らかになっている、モバイル向けAMD Ryzen 7000シリーズのラインナップは以下の通り。
- Mendocino(Ryzen 7020 シリーズ)- 日常のコンピューティング
- Barcelo-R(Ryzen7030シリーズ) – 薄型・軽量のメインストリーム
- Rembrandt-R(Ryzen 7035シリーズ)- 極薄・軽量
- Phoenix Point (Ryzen 7040シリーズ) – エリート級の極薄
- Dragon Range(Ryzen 7045シリーズ) – 究極のゲーミング&クリエイター向け
AMD Dragon Range CPUは、AMD史上最も多くのコア、スレッド、キャッシュを搭載した高性能セグメントで、Phoenix Pointは、薄型軽量ノートPCセグメントを対象としています。
AMDは、Dragon Rangeのラインナップとして、16コア・32スレッドの「Ryzen 9 7945HX」、12コア・24スレッドの「Ryzen 9 7845HX」、8コア・16スレッドの「Ryzen 7 7745HX」、そして6コア・12スレッドの「Ryzen 5 7645HX」の計4つのチップを発表しました。
前世代の「Ryzen 9 6900HX」と比較して、新たな最上位CPU「Ryzen 9 7945HX」は、シングルスレッドで最大18%、マルチスレッドで最大78%の性能向上を実現し、ゲーム性能も最大62%向上したとのことです。
さらにAMDは、Zen 4とRDNA 3からなるPhoenix Pointシリーズのラインアップを明かしました。このチップで注目なのが、最新のAIエンジン「AMD XDNA」が搭載される点です。
AMDによれば、新しいエンジンは「Ryzen AI」と呼ばれ、最大12TFLOPSの性能を発揮するとのこと。同社は、このAIエンジンが「Apple M2プロセッサよりも高速」だと示すベンチマークを公開し、Intelについては「比較対象となるAIエンジンが内蔵されていない」と言及しました。
AMDは、3Dソフト「Blender」において、同シリーズの「Ryzen 9 7940HS」がAppleのM1 Proと比較して34%高速であることを示しています。
さらにスーCEOは、Phoenix Pointシリーズが性能だけではなく、バッテリー駆動時間の面でも優れていることをアピールしました。同氏によれば、このシリーズは30時間以上のバッテリー駆動が可能だそうです。
同シリーズの最上位チップは「Ryzen 9 7940HS」で、8コア16スレッド、ベースクロック4.0GHz、ブーストクロック5.2GHz、トータルキャッシュ40MB、12Compute UnitsのRDNA 3 GPUを統合しているのが特徴です。続く7840HSも同様のコア構成ではあるものの、ベースクロックは3.8GHz、ブーストクロックは5.1GHzと低く設定されています。
また、6コア12スレッドでベースクロック4.3GHz、ブーストクロック5.0GHz、キャッシュ38MB、同様の構成のiGPUを搭載した「Ryzen 5 7640HS」も登場。これらのAMD Ryzen 7040「Phoenix」CPUを搭載したノートPCは、2023年3月に出荷が開始される予定です。