ネット検索は滅びて「ググる」は死語になる

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2022年11月に、OpenAIからリリースされたチャットボット「ChatGPT」。このチャットAIは「質問に的確に答える」ことが特徴で、試験への解答や疑似的な論文の作成、さらにはプログラムのコードすら書けることで話題になりました。

まだまだ完成形とは遠い「ChatGPT」ですが、このAIの登場に、強い焦りを見せているのがGoogleです。

*Category:テクノロジー Technology *Source:The New York Times ,statcounter ,ChatGPT

目次

GoogleがチャットAI「ChatGPT」の登場に警戒する理由


Googleは「ChatGPT」を強く警戒しています。「The New York Times」によれば、同AIのリリースにあたり、Googleの経営陣は「コード・レッド」を宣言したとのこと。同氏はGoogleにとって「これは火災報知器を鳴らすようなもの」だそうです。

なぜGoogleがここまで焦るのか、その理由は同社のビジネスモデルにあります。20年以上にわたって、Googleのビジネスの中心は検索結果の順位などを決める「検索エンジン」にありました。

ブラウザ自体は「Firefox」や「Safari」など数多くありますが、これらのブラウザもほとんどはGoogleの検索エンジンを採用しています。統計情報サイト「statcounter」によれば、Googleの検索エンジンのシェアは92.21%(11月時点)です。


しかし「The New York Times」は、このチャットAI技術が従来の検索エンジンを再発明、あるいは代替することで、Googleの検索ビジネスが初めて深刻な脅威に直面することになるかもしれないと指摘。確かに、高度に発達した「何でも答えるAI」がいれば、これまでのように調べ物のために検索をすることは少なくなるはずです。

同紙が入手したメモと音声記録によれば、Googleのサンダー・ピチャイCEOは、GoogleのA.I.戦略を定義するための一連の会議に参加し、ChatGPTがもたらす脅威に対応するために「社内の多数のグループの仕事を根こそぎ変えた」とのこと。また、300万人以上に利用されているOpenAIのDALL-E技術のように、アートワークなどの画像を作成できるA.I.製品の構築も従業員に課したそうです。

Googleが開発しているチャットAIとしては「LaMDA」が知られていますが、同社はこのAIの公開に消極的でした。チャットAIはインターネットに投稿された膨大な量のデータを分析して構成されているため、虚構と事実を混同してしまったり、差別的な発信をしてしまうことがあるというリスクがあります。


また、Googleがチャットボットを完成させたとしても、別の問題に取り組まなければなりません。それは、Googleの主な収益源である検索広告ビジネスを潰してしまわないか、という点です。

Googleはこの新技術をオンライン検索の代わりとして展開することには消極的かもしれない。昨年、同社の収益の80%以上を占めたデジタル広告の配信には向いていないからだ。

もしも情報を検索せずにチャットAIで答えがだせるようになれば、ユーザーが広告リンクをクリックする機会は単純に少なくなります。また、チャットの収益化が難しいことは、GoogleやAmazonの音声アシスタントが収益化に苦戦していることからも見て取れる事実です。

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Googleは5月、毎年恒例の開発者向けイベント「Google I/O」を開催する予定。Googleにはこのイベントで、「LaMDA」を始めとする何かしらのAI開発の進展を発表することが期待されています。

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