Chromeの弱点はブラウザとしてはかなりメモリへの負荷が高いという点。Chromeは各タブを別々に扱うため大量のRAMを必要とします。つまり、Chromeで20個のタブを開いている場合、20個のRAMプロセスを持つということになります。
一方Firefoxは、一度に処理できる数を6個に制限しています。そのため、Firefoxで20個のタブを開いた場合でも、6個のRAMプロセスしか持たないため、低スペックのデバイスでも問題無く動作します。
また、Firefoxはプライバシー保護に関する利点もあります。Googleがユーザーのデータを収集し、関連する広告を提供することによって、資金を稼いでいることは周知の事実です。一方、Firefoxは、ユーザーのブラウジング履歴を追跡しません。なぜなら、非営利団体だからです。
ただ、FirefoxでGoogle.comにアクセスすると、Googleは多くのデータを収集することができます。しかし、FirefoxとDuckDuckGoのようなものを組み合わせて使えば、プライバシーをより保護することができるのです。このようにFirefoxを使うメリットもあるのです。
Googleはこのように相反するFirefoxになぜ資金を提供しているのでしょうか?表向きの答えは、Firefoxのデフォルト検索エンジンをGoogleにするためだそうです。しかし、これはあまり意味のあることではありません。
なぜなら、Firefoxユーザーのかなりの部分が、わざわざChromeではなくFirefoxを使っているため、そのユーザーたちは、Googleよりも別の検索エンジンを使う可能性が高いからです。
また、もしGoogleがFirefoxのサポートをやめた場合、Firefoxは潰れるはずです。Firefoxが無くなれば、Googleにとっては、マーケットシェアを拡大する絶好のチャンスのように思えます。このように、GoogleがFirefoxを助けるメリットはあまり無いのです。
「Logically Answered」は、GoogleがFirefoxをサポートする本当の理由はGoogleの「独占を守る」ためだと指摘しています。GoogleがFirefoxのシェアをコントロールしようがしまいが、Chromeのシェアは77%で既に独占状態です。しかし、Firefoxを排除した場合、独占の危機が訪れます。今、反トラスト(独占禁止法)規制当局から質問を受けたとき、GoogleはFirefoxでもっともらしい否認をすることができます。
GoogleはFirefoxが存在していれば、自分たちがいかにこのオープンソースプロジェクトを一人で支えているか、いかに競争を促しているかを語ることができるのです。しかし、もしFirefoxが無くなると、この理論は成立しづらくなります。つまり、Googleは今の独占状態を維持したいために、競合であるFirefoxに巨額の資金を提供してサポートし続けているということです。