AIとデータサイエンスを研究するアラン・チューリング研究所が、2022年のカタール・ワールドカップの結果を予測できるAIモデル「AIrsenal」を公開しています。
*Category:
AI「AIrsenal」が予想するサッカーW杯の優勝国
「AIrsenal」は、プレミアリーグが運営する予想ゲーム「Fantasy Premier League(FPL)」をプレイするために2018年に開発された「AIrsenal」がベースになっています。
研究所によれば、このAIは「チームの攻撃力、防御力、ホームアドバンテージのパラメータ」を元に、ベイズ統計学を使って与えられた試合の最も可能性の高いスコアラインを計算するとのこと。データには1872年以降のすべてのサッカーの国際試合結果が使われています。
さらにAIrsenalは、国際的な結果の予測に適したものにするために修正されています。例えば、国際チームは同じ大陸のチームと対戦することがほとんどであり、異なる大陸のチーム間の結果を予測しようとすると、バイアスがかかることがあります。この問題に対処するため、異なる大陸同士の相対的な強さに関するモデルパラメータを導入したとのこと。
また国際大会では、開催国が出場しない限りホームアドバンテージが適用されないという事実を考慮し、モデルを微調整しているそうです。また、高すぎるパフォーマンスを記録したスター選手や、不確定要素の多いPK戦などのデータは除かれています。
これに基づき、研究所はAIrsenalで2022年ワールドカップの全試合を10万回シュミレート。これにより、どのチームが優勝する確率が高いかが判明しました。
優勝確率が25%前後とずば抜けているのはブラジル。次点にベルギー、アルゼンチンと続き、日本と一次リーグが同じスペインも高い評価を受けています。
では、日本の一次リーグ突破の確率はどうでしょうか?AIrsenalによると、一次リーグ突破の確率は32.1%。準々決勝進出の確率は8.8%で、準決勝進出は2.4%、決勝進出の確率は0.6%です。
そして、最後まで勝ち残り、優勝する確率は0.1%。日本代表はこの奇跡的な確率を掴み取ることはできるのでしょうか?
なお、この分析は大会前のものであり、現状での確率は異なると考えられます。研究所もこのAIについて「この予想に賭けることはお勧めしない」としており、あくまで1つの予想として捉えるのが良さそうです。