パソコンでブラウジングなどをしていると「このパソコンはハッキングされているため、クリーニングが必要です。プライバシーやデータを守りたいのであれば、お金を払ってください」というメッセージが表示されることがあります。このようなネット詐欺やハッキング行為を総称して「サイバー犯罪」といいます。
サイバー犯罪による被害は年々増加していますが、犯人はなかなか逮捕できていないのが現状です。彼らを捕まえることが難しい理由について、海外YouTubeチャンネル「The Infographics Show」が解説しています。
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サイバー攻撃の被害規模とは?
サイバー犯罪を専門に行う「ダークサイド」というグループがあります。彼らがばら撒くウイルスは、企業や政府を恐喝するためのものです。そのため、基本的には非営利団体や学校、あらゆる種類の医療サービスを攻撃することはありませんが、富裕層を狙うことはあります。
例えば、ビル・ゲイツやイーロン・マスクのような億万長者が、世間には明かせない秘密を持っていて、それがサイバー攻撃によって世間に知れ渡ろうとしたとします。もしかしたら彼らは、秘密を隠すために数億円を払うかもしれません。実際このようなサイバー犯罪では、500万ドル(約7億円)程の身代金を請求することはよくある話です。
また、秘密が絡むケースでは、もしかしたら警察も呼ばないかもしれません。もし誰にも知られたくない秘密を持っていたとしたら、それを明かされることは望まないでしょう。これがサイバー攻撃が絶えない理由の1つです。
2021年、ダークサイドはColonial Pipelineという米国の石油パイプライン会社を攻撃のターゲットにしました。そして彼らはその会社のシステムを掌握しました。このパイプラインは東海岸で使用される燃料の約45%が経由しているため、会社や世界にとって大きな影響です。ハッカーたちは、75ビットコインまたは440万ドル(約6.1億円)を支払えば、システムを返すと言いました。その後、企業は数時間で支払いを済ませています。
ハッカーが暗号通貨を要求するのは、追跡が難しいからです。特にハッカーが予防策を講じて取引所を匿名化している場合はなおさらです。場合によっては、誰かの銀行口座をハッキングして、そこにお金を入れて、持ち主が知らないうちに引き出している場合もあります。
ダークサイドがハッキングを行えたのは、ダークウェブで非常に重要なパスワードを購入したからだと考えられています。そして、彼らは混乱させることが目当てではなく、現金が目当てのようです。ダークサイドは、約90社の米国企業を攻撃し、内部の資料を確認しています。ハッキングすれば、企業の内部情報を知ることができるため、企業がどれほどの身代金を払えるかも簡単に把握することができます。
政府は今、このハッカーたちに1,000万ドル(約14億円)の懸賞金をかけています。ダークサイドのハッカーは、東ヨーロッパのどこか、おそらくロシアにいると考えられています。メンバーは東欧だけでなく、中国、北朝鮮、イラン、シリアの人々で構成されていると考えられています。なぜなら、彼らはメッセージを書くとき、よくスペルミスをするからです。
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ハッカーを引き寄せる程の資金があれば、誰にでも起こりうる場合があります。オーストラリアのある男性は、目を覚ますと、すべてのデバイスが乗っ取られていることに気づきました。そして「あなたはハッキングされました」とコンピューターに表示されたのです。この時、ハッカーは「ハッキングを解除して欲しければ、1,500万ドル(約21億円)を払え」と要求しました。
このように、サイバー犯罪は、今や世界的な大問題になっており、人々や企業から数百万ドルの身代金を奪っているのです。
サイバー犯罪をやっているのは、ダークサイドだけではありません。BBCは最近、ロシア当局がREvilと名乗るロシア国内のハッカーを逮捕したと報じました。彼らもまた、ランサムウェアを使って多額の金銭を強奪していたのです。彼らが逮捕されたとき、ロシアの警察は400万ドル(約5.6億円)以上の現金と約44万ドル(約6,000万円)に相当するビットコインを発見しました。また、20台の高級車も押収されています。
しかし、このように逮捕できるのは一握りだけです。なぜ、犯人を見つけることができないのでしょうか?
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