2022年3月に設立された合弁会社ソニー・ホンダモビリティの自律走行型電気自動車を、米テック系メディア「The Verge」が取り上げています。
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ソニー・ホンダが開発する「エンタメ重視」の自律走行型EV
ソニー・ホンダモビリティの計画の特徴は、よりエンタメ要素に注力していることです。同社の水野泰秀会長は、「我々が提供したいエンターテインメントやネットワークに対応するハードウェアとして車を開発する」と述べています。これは事実上、電気自動車(EV)がコンテンツ消費装置となることを示唆するものです。
「The Verge」は、ソニーとホンダが手を組んだのは、これが大きな理由だと指摘しています。ソニーはエンタメやソフトだけでなく、自律走行に必要なセンサーや技術も提供し、ホンダは自動車作りに長けています。完全自動運転の分野ではテスラが先行していますが、これらの技術の組み合わせにより、追いつこうとしているのです。
「The Verge」によると、ソニー・ホンダモビリティ合弁会社の川西泉社長は、米FT紙の取材に対し、ソニーがホンダと作る予定の自動車にPS5のプラットフォームを組み込むことは「技術的に可能」だと述べたとのこと。
PS5はソニーのエンタメ分野で、最も大きな武器の1つです。「グランツーリスモ」や「スパイダーマン」のようなゲームタイトルを自動運転車の中で遊べるというのは、他の車にはない強みとなるかもしれません。
なお、テスラも昨年、より大きな横長スクリーンを搭載した最新モデルSとXの納車を開始しました。テスラのイーロン・マスクCEOによれば、この車には「文字通りPS5レベル」と語ったAMD RDNA 2グラフィックチップが搭載されているとのこと。ただし、それから1年以上が経ちましたが、マスク氏は約束した「サイバーパンク2077」などの大作ゲームや8月のSteam向けデモはまだ実現されていません。
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ソニー・ホンダモビリティの計画では、車の納入は2026年初頭になる予定となっており、登場はまだ先の話です。この車両がどのようなものになるかは不明ですが、ソニーは2020年からVision-S 01コンセプトを公開しています。
Vision-Sは、ソニーが自動車メーカーのマグナ社と共同で製作したもの。200kWのデュアルモーターを搭載し、車体の周りには10個以上のイメージセンサーなどを搭載。車内には、少なくとも9台のディスプレイが搭載されています。
また、公式サイトではPS4向けコントローラ、DUALSHOCK 4への対応も示されており、PSゲーム対応への期待も膨らみます。自動運転の時代では、車は単なる移動手段ではなく、1つのエンタメ消費デバイスとして役立つようになるのかもしれません。