高速化する地球の自転が「大規模な停電」につながるワケ

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地球は大まかに言って24時間(86,400秒)で自転を1回します。この1回転が1日を表し、日の出と日の入りのサイクルを生み出し、何十億年もの間、生命を形作ってきました。しかし、ここ数年で短日記録が相次いで更新されているのです。

1日の長さが変動するメカニズムと、それに伴う弊害について、海外メディア「cbsnews」が解説しています。

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*Category:テクノロジー Technology *Source:cbsnews,theguardian,engineering.fb

目次

1日が短くなるメカニズムと弊害とは?


2020年、地球は過去50年間で最も短い28日間を記録し、その中で最も短い7月19日は、24時間を1.47ミリ秒短縮しました。そして、2022年6月29日は1.59ミリ秒短い1日を記録しています。この6月29日は、1970年に原子時計が採用されて以来、最短の1日となっています。

1日の長さは、地球の自転速度が関係しています。自転速度が速くなれば、1日は短くなるのです。また、地球の自転速度は、日々変化しているため、1日の長さも常にミリ秒単位で変化しています。ちなみに、14億年前に時計を巻き戻すと、1日は19時間ほどだったそうです。

自転の速度に影響を与えると考えられている要素は色々とあります。地球の内部には溶けたコアがあり、表面には移動する大陸や膨張する海や消滅する氷河の塊があります。また、地球全体は厚いガスに包まれ、自転することで揺らいでいます。これらすべてが地球の自転に影響を与え、速度を速くしたり遅くしたりしているのです。

では、このように1日の長さが変わってしまっても地球に問題は無いのでしょうか?結論から言うと。地球自体にはほとんど問題はありません。


専門家は「地球の自転速度は常に変動しており、今回の測定は慌てるほどのことではない」としています。ただし、1日の長さが変わることによって、現在のテクノロジーには影響を与える可能性があります。

現在、1日の長さは、科学的にいうと「地球が1周する速さ」と、1960年代に開発された原子時計で計測した時間を比較して導き出しています。もし、これらの測定値があまりにもズレてしまった場合、地球の時刻を管理する組織である国際地球回転参照システムサービスが、1秒を追加する「うるう秒」と1秒を削除する「負のうるう秒」を利用して修正します。

しかし、この「うるう秒」には大規模で壊滅的な技術的問題を引き起こす可能性があります。特にこれについて批判しているのが、Meta(旧Facebook)です。彼らによると「負のうるう秒」は大規模に検証されたことがなく、これによるシステムの混乱が、世界中で「予測不可能で壊滅的な停電」を引き起こす可能性が高いとのこと。

日常生活では感じることのない「うるう秒」の存在ですが、正確な数字を扱うシステムにとって、このような調整は非常に迷惑なのです。地球の動きによって、時間を定義するには限界が来ているのかもしれません。

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