ミッキー・マウスの「著作権ぎれ」にディズニーが焦らない理由

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ディズニーは長年の人気マスコットである「ミッキーマウス」をはじめ、多くの愛されるキャラクターの独占権を間もなく失うかもしれません。

今後のディズニーのキャラクターがどうなるのかについて、海外メディア「euronews」が解説しています。

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*Category:テクノロジー Technology|*Source:euronews,theguardian

ディズニーは「ミッキーマウス」を独占的に使えなくなるのか?


1928年の誕生以来、ミッキーは数十億ドル規模のディズニー・ブランドの顔になってきました。しかし、デビューから95年後の2024年には、ミッキーはパブリックドメインになってしまう可能性があります。

パブリックドメインとは、知的創作物についての、著作権をはじめとする知的財産権が発生していない、誰でも利用できる状態のことを指します。米国の著作権法では「匿名または疑似匿名による芸術作品」は95年間しか保護されず、その後は自由に利用することができるとなっているのです。

これはディズニーにとって何を意味するのでしょうか。

ミッキーはフランケンシュタイン、シャーロック・ホームズ、ロビン・フッド、ドラキュラなどのパブリックドメインになったキャラクターの長いリストに加わることになります。

しかし、パブリックドメインになるのはあくまでも初期バージョンのミッキーです。ミッキーは1928年に白黒の映画「蒸気船ウィリー」でデビューしました。最初のミッキーの特徴は、黒い目、小さな耳、とがった鼻です。現在の象徴的な赤いショートパンツは、1935年まで採用されていませんでした。

初期以降のミッキーは、痩せたり太ったり、眉毛があったりなかったりと様々です。そのミッキーの著作権は、まだディズニーが持っています。初期以降のミッキーは、今後数十年の間に、さまざまなタイミングでパブリックドメインになる予定です。

また、初期のミッキーを使って、自分だけの物語を作ることができるようになったとしても、商標権という法的なハードルが残っています。著作権には期限がありますが、商標には期限がありません。

例えばミッキーの場合、名前だけではなくいくつかの絵も商標になっているとマーティン・センフトレーベンが書いた「The Copyright/Trademark Interface」の中で述べられています。

さらに、センフトレーベンは「著作権と商標の主張の組み合わせは、現代の文化的シンボルの分野における標準的な保護戦略となっている」と付け加えています。これは、第三者が作った新しい作品がディズニー・ブランドを連想すると主張されれば、訴えられる可能性があるということです。

当然、ミッキー以外にもディズニーは、言葉、フレーズ、などのさまざまなものの商標を持っています。ディズニーが知的財産の管理が非常に厳しいという評判を考えると、多くのクリエイターはミッキーの画像を使うことに躊躇するはずです。

また、他のディズニーキャラクターはどうなるのでしょう。今後数十年の間に、多くのディズニーキャラクターがパブリックドメインになることが予想されます。

ミッキーの犬の親友であるプルートは、1930年に初めて登場しました。つまり、著作権は3年後に失効する可能性があるということです。ドナルドダックのスクリーンデビューは1934年6月9日の「The Wise Little Hen」であるため、あと6年間の独占所有権を得たことになります。

また、白雪姫と七人のこびとたちは15年以内にパブリックドメインとなる可能性があります。しかし、ミッキーと同様に、これらのキャラクターも特定の商業利用において商標化されています。

商標権が適用されない場合、著作権の消滅は、これらのキャラクターが自由に使われることを意味します。例えば「くまのプーさん」は、近々公開されるホラー映画「Winnie the Pooh」でサイコチックにいじられています。

くまのプーさんは、2022年初めにAAミルンの本の著作権が切れたため、パブリックドメインになっています。この映画の監督は、1926年版のキャラクターをディズニー・ブランドとは明らかに異なるように作成しているため、商標権の侵害を免れたようです。

もし、ディズニーと関係があるかのように思わせた場合は、大きな法的制裁を受ける可能性があるため、パブリックドメインになるディズニーキャラクターを利用する際は細心の注意が必要です。

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