AppleはiPhone 12シリーズから充電器の付属をやめることを発表しました。しかしこれに対しては反発もあり、ブラジルではAppleに1900万ドル(約28億円)の罰金が裁判で下されています。
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ブラジルでAppleが巨額の罰金を下される。充電器なしのiPhoneも販売停止に
Appleに対して厳しい規制をかける国はいくつもありますが、中でも厳しいのがブラジルです。テック系メディア「MacRumors」によると、ブラジルの裁判所は本日、充電器が付属していないiPhoneを販売したAppleに対し、1900万ドルの「社会的損害賠償」の罰金を課したとのこと。
AppleはiPhoneに充電器を付属しない理由として「二酸化炭素排出量を削減するため」だとしていました。同社は、多くの顧客がすでに充電器を用意しており、充電器の単体販売も続けていると主張しています。
しかし、この判決を下した裁判所は、Appleの環境に関する説明を好意的に受け止めませんでした。「グリーンイニシアチブという正当な理由の下、被告は消費者に、従来製品とともに提供されていた充電器アダプターの購入を義務付けていることが明らかである」と判決文には書かれています。
Appleは2020年にiPhone 12モデルを発売した際、iPhoneに充電器を付属させることを中止しました。ほとんどの国で、AppleはiPhoneにEarPodsや電源アダプタを同梱しなくなり、USB-C to Lightningケーブルのみを提供しています。
なお、Appleは罰金に加えて、充電器付きのiPhoneを販売し、さらに2020年10月13日以降に製品を購入したすべてのブラジル人に充電器を提供する見込みとのこと。
9月にもブラジル司法省は、Appleが不完全な製品を顧客に提供しているとして、充電器なしのiPhoneの販売停止を命じるとともに、234万ドルの罰金を課していました。Appleはこの判決を不服として控訴しており、本日のサンパウロの判決も控訴する予定であることから、この命令には従っていません。
海外メディア「CNN Brasil」の11月4日の報道によると、ブラジルにおける充電器なしのiPhoneの販売は再び停止されたとのこと。また、スマートフォンの販売停止に対してAppleが申請した差止命令も却下しています。これにより同社は、充電器なしで出荷されるiPhone 12以降の端末をブラジルで販売することができなくなりました。
ブラジルの国家消費者事務局は、充電器を箱の中身から切り離す行為は抱き合わせ販売に該当するとしています。また、Appleが主張するブラジルの土壌の環境保護に有益であることも証明できていないとのことです。
統計サイト「statscounter」によれば、ブラジル国内におけるモバイルOSのシェアは、Androidが80%となっており、iOSは19%に留まっています。日本と比べてiPhoneが高級品であるブラジルなだけに、充電器が付属しないというのは大きな問題なのかもしれません。
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