30TBの大容量ストレージとして米大手オンラインストア「Wallmart」で販売されていた17.99ドル(約2,600円)の外付けSSD。明らかに怪しいこの製品の正体を、サイバーセキュリティ専門家のレイ氏(@RayRedacted)が暴いています。
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怪しすぎる「30TBの外付けSSD」の正体とは?
一般的に、SSDであれば1TBのストレージで50ドル(約7,000円)から100ドル(約15,000円)の相場で販売されています。相場を踏まえると、Walmartで販売されている「30TBの外付けSSD」は信じられない程に安価です。
実はこのSSDは、中国のECサイト「AliExpress」で販売されているものと同じ。おそらく、ここから「Wallmart」に横流しされていると考えられます。
レイ氏は「AliExpress」から同じ格安SSDを購入し、本当に大容量のストレージが搭載されているのかを分解して確認しました。すると、中身はUSB2.0対応ボードに、512MBのmicroSDカードが2枚熱接着されているだけだと判明。
このSSDには偽物だとバレないよう、巧妙な仕掛けが組み込まれてます。まず、PCに接続すると「15TBのストレージ2つ」として表示されるようプログラミングされています。
Windows reports it as two 15 terabyte drives ! pic.twitter.com/m1fIZUQgLX
— Ray [REDACTED] (@RayRedacted) August 25, 2022
PCからこのSSDにデータをコピーすると一見、問題無くコピーできているようにみえます。しかし、レイ氏が検証したところ、実際にはmicroSDカードに上書きを実行しているだけだと判明。つまり、1GBを超えたデータは上書き保存によって自動で削除される仕掛けになっているのです。
これを取り上げた海外メディア「VICE」がWalmartに報告したところ、この製品はショップから削除されました。Walmartのコーポレート・コミュニケーション・ディレクターであるRobyn Babbitt氏は「VICE」にメールで次のように述べています。
問題のある商品を教えて頂きありがとうございます。報告頂いたSSDはストアから削除しました。Walmartは、今後も利用者を守るために問題のある商品を削除し続けていきます。
このような詐欺的な商品は、今回問題になったストレージ以外にも数多く存在しています。「製品が安すぎて怪しい」と感じた場合は、大手ECサイトでも慢心せず、メーカーと販売者が信頼できるかどうかを確認してから購入しましょう。
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