買収から数日でCEOに就任したイーロン・マスク。Twitterの改革を急ピッチに進める同氏ですが、さらに動画共有サービス「Vine」の再起動をエンジニアに指示したと米メディア「Axios」に複数の関係者が報告しています。
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イーロン・マスクが動画共有サービス「Vine」の年内復活を命じたとのリーク
「Axios」によれば、マスクの指示により、TwitterはVineは年内までに復活させる可能性があるとのこと。Vineは、縦表示のショート動画を共有する、TikTokの元祖のようなアプリです。Vineは2012年にTwitterに買収されましたが、2016年に閉鎖されました。
今回の報告では、マスクはTwitterの買収に至るまでの数ヶ月間、Vineについて議論したとされています。また、先日に同氏は、Vineを復活させるべきかどうかを尋ねるTwitter投票を開始しました。この記事を書いている時点では、約70%の回答が賛成(Y)となっています。
Bring back Vine?
— Elon Musk (@elonmusk) October 31, 2022
テック系メディア「The Verge」に対して語った匿名の現役社員によると、彼のチームは同社のエンジニアにVineのコードを見て、復活させるのにどの程度の作業が必要かを把握するよう伝えているとのこと。
年内のリリースというのは、5年前のアプリを復活させる作業としてはかなり切羽詰まったタイムラインです。しかし、マスクであればこの急なペースもおかしくはありません。同氏は今週末、11月7日までに公式チェックマークの月額料金を強制するプログラムを実施しなければ「解雇する」とTwitter社員に告げられたとも報じられています。
TikTokが急激に巨大化した現状、Vineの復活は当時とは全く異なる形になるはずです。YouTubeを始めとした多くのSNSは、ショート動画のモデルを真似しはじめています。Vineはもともと独立したアプリですが、復活の際にはTwitterの一部となる可能性もあります。
Vineの復活は、イーロン・マスクが目指すスーパーアプリ構想の一部かもしれません。スーパーアプリとは中国の「WeChat」のような、SNSから支払いまで、多くの機能を兼ね備えたアプリです。以前マスクはTwitter買収について「あらゆるアプリであるXを作るための促進剤」だとツイートしています。
Buying Twitter is an accelerant to creating X, the everything app
— Elon Musk (@elonmusk) October 4, 2022