なぜ「iPhoneの充電ケーブル」は4,780円もするのに壊れやすいのか?

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Lightningを搭載したiPhoneの純正ケーブルは、根本などの部分が断線しやすいことで知られています。これはiPhoneの充電ケーブルに限らず、MacBookなどのケーブルでも同様です。

2mのものは4,780円(税込)もするにも関わらず、なぜ簡単に断線してしまうのでしょうか?この問題について、Appleに詳しいYouTubeチャンネル「Apple Explained」が解説しています。

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目次

Appleのケーブルが断線しやすい理由とは?


Apple製品に付属しているケーブルは、昔から断線しやすかったワケではありません。実際、数カ月使っただけでケーブルが断線したという報告が出始めたのは、2006年になってからです。

それには、2つの理由があります。1つ目は、Appleが機能よりもデザインを重視していることです。Appleのデザインチームは、製品の最終的な決定権を持っています。

Appleのデザインチームは、今までケーブルに使用されていた「リブ状のストレインリリーフ」を不格好だと思っていました。


そこで、その部分を、より薄く継ぎ目のないプラスチック製の保護に変更し、ケーブルの外観をよりなめらかにしたのです。

Appleのエンジニアリングチームは、以前のケーブルに比べて、新しいケーブルが断線しやすいことに気がついていましたが、それでも変更は実施されました。


その結果、MacBook、iPhoneの全てのモデルで断線しやすいケーブルが採用されてしまったのです。そして、2007年に入ってから現在に至るまで、ユーザーからは「ケーブルが断線しやすい」という苦情が出続けています。

ただ、Appleのケーブルの弱体化にはもう1つの理由があります。それは、2007年にスティーブ・ジョブズが始めた「A Greener Apple」と呼ばれる環境保護活動です。

この活動によって、Appleは製品から有害物質や毒性のあるモノを取り除き始めました。そして、その取り除かれたモノの中に「PVC」(塩化ビニル)がありました。PVCとは、電源ケーブルの剛性や耐久性を高めるために、一般的に使われているプラスチック製のビニール素材のことです。


充電ケーブルは「PVCの保護」から「曲げやすく断線しやすい薄いゴム製の保護」に変更されました。

新しいケーブルはデザイン的には良くなりました。しかし、構造上断線しやすく、さらに薄いゴム製の保護によって、非常に壊れやすいケーブルとなってしまったのです。

Appleのアクセサリーは他社製品よりも高価な場合が多いため、このことはユーザーにとって大きな問題でした。ケーブルの交換はApple製品を所有する上で、高価で不便なことなのです。


しかし、Appleがこの問題を解決しようとしている兆しがあります。Appleは、HomePodやiMacなどの製品向けに、より耐久性の高い織布ケーブルを採用し始めました。そして、その素材はlightningケーブルでも使用され出しています。


もしかすると、今後iPhoneの純正充電ケーブルも、断線しにくい織布ケーブルに切り替わるかもしれませんね。

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