2017年に発表されたiPhone Xは、同シリーズの見た目を劇的に変化させました。その中でAppleは、メニューバーから直接確認することができた「バッテリーの残量表示」をなぜか廃止しています。
その変更から5年間、バッテリー残量はメニューバーから姿を消しました。しかし「iOS 16」から、バッテリー残量の表示方法が大きく変わっています。この変化についてAppleに詳しいYouTubeチャンネル「Apple Explained」が解説しています。
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iPhone X以降で消えた「バッテリー残量表示」
iPhoneユーザーは今までバッテリー残量を確認するためだけに、スワイプをしてコントロールセンターを表示させる必要がありました。多くの人は、この仕様変更を後退だと感じたはずです。では、なぜAppleはその様な変更をしたのでしょうか。その答えは、ノッチのためです。
iPhone Xの目玉機能の1つは「Face ID」です。これを実現するためには「TrueDepth Camera System」が必要でした。そして、そのセンサーは全てディスプレイ上部の大きなノッチに収められています。
ノッチはかなりのスペースを占めますが、Appleは左右にある「時計」「アンテナ」「無線LAN」「バッテリーアイコン」は維持しました。しかし、そのリストの中にバッテリーの残量表示は入りませんでした。
その結果、バッテリーの残量表示はコントロールセンターに追いやられたのです。
Appleはバッテリーアイコンを表示させておけば、正確な残量を表示しなくても問題ないと考えました。しかし、正確な残量を見ることを好むユーザーは必ずいます。
そして、正確な残量を見るためだけに、コントロールセンターを開くという作業は非常に不便でした。
そこでAppleは、Androidと同じようなアプローチをとりました。Appleは「iOS 16」からバッテリーの残量をアイコンの中に統合できるようにしたのです。
しかし、このシステムにも欠点があります。なんと、デバイスのバッテリーが20%を超えている場合、アイコンは完全にフルに表示されてしまうのです。そして、20%以下になると、アイコンは赤色に変わります。この表示の仕方では、一見満タンに見えても、パーセンテージを見ると少なくなっていることがあります。
そして、Appleは「iOS 16.1ベータ版」でバッテリーの表示方法を変更します。その結果、ついにiPhoneでもバッテリーアイコンが変化しながら、残量を一緒に確認できるようになったのです。
たったこれだけの問題を解決するために、Appleは結果的に5年の歳月と、2つのソフトウェアリリースを費やしたのです。