iPhoneの指紋認証「Touch ID」は、iPhone X以降のモデルには搭載されておらず、代わりに顔認証であるFace IDが搭載されています。現在でもこのTouch IDの復活を望む声も多くありますが、その可能性は薄れつつあるようです。
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iPhoneのTouch IDが復活しない理由
Androidスマホでは、画面内指紋認証センサーの採用がスタンダードになっており、Appleがこれを実現しないのは不思議にも思えます。実際Appleは以前、画面内Touch IDなどの機能もテストしたと噂されていました。
また「iPad Air 4」のように電源ボタン内蔵のTouch IDもテストしたようですが、これも実現には至っていません。結局のところ、今後Appleが今後数世代のiPhoneにTouch IDを搭載することはなさそうです。
経済紙記者のマーク・ガーマン氏は、最近のレポートで「AppleがハイエンドのiPhoneにTouch IDを搭載するかどうか」について語っています。この中で同氏は「現時点では、Face IDはここにとどまり、Touch IDがフラッグシップiPhoneに戻ることはない」と結論づけました。
また、Appleのリークで数々の実績を持つアナリストのミンチー・クオ氏も、Touch IDの復活については否定的です。
I previously predicted iPhones would support under-display fingerprint sensing/Touch ID in 2023 at the earliest. But the latest survey indicates new iPhones in 2023 & 2024 may not adopt under-display Touch ID. Face ID with a mask on iPhone is already a great biometrics solution.
— 郭明錤 (Ming-Chi Kuo) (@mingchikuo) March 30, 2022
以前、私はiPhoneが早ければ2023年にアンダーディスプレイの指紋認証/Touch IDをサポートすると予測しました。しかし、最新の調査では、2023年と2024年の新しいiPhoneは、アンダーディスプレイのTouch IDを採用しないかもしれないとのことです。マスクに対応したiPhoneのFace IDは、すでに優れた生体認証ソリューションです。
同氏が理由の1つとして取り上げているのが、iOS 15.4でiPhone 12以降のモデルがマスク着用時でもFace IDが使えるようになったことです。特にコロナ渦の現状、Face IDはマスク着用時に使えないという大きな弱点を抱えていました。
搭載を望む声があり、技術的に不可能ではないにも関わらず、Appleがあえて「TouchID」の〝再搭載〟しない状況は、まさにテック業界の複雑怪奇さを象徴するエピソードとも言えるでしょう。指紋認証は過去のiPhoneやiPadなどで広く採用されていたものであり、Android端末においても一般的なものですが、新たにiPhoneに搭載しようとすると、セキュリティなどの様々な制約から一朝一夕にはいかないのかもしれません。
ただしガーマン氏は、iPhone SEのような廉価なモデルには、Touch IDがまだ搭載される可能性があると示唆しています。とはいえ、Appleの認識としてはTouch IDはあくまで「Face IDの下位互換」であり、今後廃止の方向で進んでいくと考えられます。