Androidでは、設定からMP3ファイルを選択するだけで、簡単に「カスタム着信音」を設定することができます。
しかし、iPhoneでカスタム着信音を設定するには、複雑な操作が必要です。AppleがiPhoneのカスタム着信音の設定を複雑にしている理由について、Appleに詳しいYouTubeチャンネル「Apple Explained」が解説しています。
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Appleと着信音との関係とは?
AppleがiPhoneのカスタム着信音の設定を複雑にしている理由は「欲」だとApple Explainedは述べています。
Appleは、2007年の初代iPhone以来、着信音を販売するビジネスを行ってきました。当時、着信音市場は年間10億ドル(約1.4千億円)規模の産業でした。
なぜなら、30秒の着信音が99セント(約100円)のフルの曲よりも高い値段で売られていたからです。アメリカのT-MobileとSprintは1つ2.5ドル(約350円)、Verizonは3ドル(約420円)で販売していました。
さらに衝撃的なのは、その着信音は客の所有物ではないということです。なんと、90日から1年で消えてしまい、再購入が必要だったのです。当然、消えてしまうと着信音に設定することはできません。
2007年、Appleは全く新しい販売モデルを導入し、着信音市場を混乱させました。iPhoneのユーザーが着信音を設定するためには、まずiTunesで99セント(約100円)の楽曲を購入する必要があります。
そして、その曲を30秒の着信音に変換するためには、さらに99セント(約100円)の費用がかかりました。つまり、1曲の着信音にかかるコストは1ドル98セント(約200円)ということです。これは、今では考えられないことですが、当時としては大きな進歩でした。
iPhoneであれば、2ドル(約200円)を支払うだけで、曲の本編が手に入り、着信音の開始と終了のポイントを調整することもできます。また他社のように、着信音が消えることもなかったのです。
しかし、この15年で音楽業界は変わりました。今では、購入するよりもストリーミングが主流になり、客は昔のように着信音に価値を見いだせなくなっているのです。
現在iPhoneでカスタム着信音を設定する場合は、iTunes Storeから楽曲を購入する必要があります。操作方法は「設定」>「サウンドと触覚」>「着信音」>「着信音/通知音ストア」です。
ここでは、着信音が1曲1.29ドル(約180円)程度で販売されています。購入後は、設定の着信音リストの一番上に自動的に表示されます。
Appleがカスタム着信音を無料で設定できないようにし、設定から直接ストアへのリンクを提供しているのは、偶然ではありません。Appleのサポートは、カスタム着信音を設定する方法として「iTunes Storeからの購入」を明確に指示しているのです。
Appleは、無料でカスタム着信音を設定する方法については、何も触れていません。しかし、非常に複雑ですが、PCを通せば実際には可能です。
現にYouTubeにはiPhoneで無料のカスタム着信音を設定する動画が無数にアップされています。つまり、カスタム着信音の需要はまだあり、Appleは利益を最大化するために、無料で作成することをできるだけ難しくしているということです。